中国茶における香りの表現
中国茶独特の香り表現も駆使してみる
中国茶の世界でも、昔から香りの表現は様々に用いられてきました。
たとえば、香りによる中国茶の区分が行われているように(「中国茶、香りの世界・味わいの世界 香りに酔いしれる」で解説しています。)、毫香(ハオシャン)、嫩香(ネイシャン)、花香(ファシャン)、果香(グオシャン)、清香(チンシャン)といったような、さまざまな香りの表現がもちいられてきました。
これ以外にも、研究目的、あるいは商業目的で茶の良し悪しを評価するいわゆる「品茶」のための用語として、さまざまな中国茶の表現があります。
高香 非常に馥郁とした花香など。
花香顕 ブーケアロマ。特級茶の花香。
焦糖香 紅茶などの蜂蜜の香りやキャラメルの香り。
干草香 秋茶の干草のような香り。
平正 それ程香りが高くなく標準的な香り
粗低 老茶の低い香り
青気 青臭い草の香り
高火 強く焙煎の施された茶の香り
甜純 紅茶の甜香り
高鮮 緑茶の新鮮な香り
鮮嫩 緑茶の芽茶が持つ新鮮な香り
幽香 茶葉の幽玄な香りが持続する様
高甜 工夫紅茶の甘みのある香り
清香 すがすがしく爽快で純粋な香り
清高 清く爽やかな緑茶の香気
[シ衣]郁 持続する花香
蜜糖香 紅茶の蜂蜜の香り
高爽持久 緑茶の爽やかで強く持続する香り
嫩香 産毛の多いお茶の香りを評する用語
煙薫味 焙煎の強いお茶の焙煎香
陳香 古く寝かせたお茶の香り
炒麦香 麦を焦がしたような香り
このほかにも、桂花香(金木犀の香り)、蜜桃香(蜜桃の香り)、栗香(栗のような香り)、桂圓香(竜眼のような香り)など、それぞれの花や果物、実などのにおいを比喩する場合に使われる香りの用語もあります。