香の成分の発見



中国緑茶の香りは多様性があります


中国茶の魅力にとりこにされた人の多くが、その理由に「中国茶の香がとてもよかったから」と答えます。中国茶は、日本茶や紅茶に比べて、蘭やライチ、金木犀などの、花にたとえられる香りのするお茶が多いのは事実です。

では、このお茶の香とは、どんな成分によるものなのでしょうか?今回は、お茶の香の成分に焦点をあてて、その香りの魅力に迫ってみましょう。

お茶の成分には、アルコール、フェノール、アルデヒド、エステル、酸、ケトン、全硫黄化合物、全窒素化合物など、実に様々な化合物が含まれていることが究明されています。これらの成分の中には「香気関連物質(こうきかんれんぶっしつ)」といわるいわゆる香りを発する成分が多数存在しています。

お茶の香りの研究は、日本では世界に先駆けて1930年代から開始され、大きな成果を挙げてきていますが、特に、武居、山本の両教授により、茶葉の成分の中に、香気関連物質である30種類を越える精油成分が発見されました。



非常に良い香りのする青茶(鳳凰単叢)


しかし、この精油成分というのは、すぐに蒸発してなくなってしまい、捉えることが難しいために、それを構成している成分の解明がとても難しく、また、成分が多種多様であり、含有量が微量であることから、なかなか研究が進んでいませんでした。

茶葉に含まれる香りの成分の集合体である精油成分は、緑茶で1000kgの茶葉から170g、紅茶で1000kgの茶葉から225gの精油しか得られないのです。

現在は、ガスクロマトグラフィーという手法が利用されるようになり、少量のサンプルで様々な解明が行えるようになっています。

さて、そのような研究の結果、精油成分の中から現在までに明らかにされている茶の香気成分は638種にのぼり、さらにそれぞれが複雑に組み合わされて、独特な香気が構成されることがわかっています。