さあ、中国茶を始めよう
中国茶のスターターキット
最近、「中国茶を始めたいのだけれど、どんな茶器が必要なのでしょか」というお問い合わせを頂くことが多くあります。考えてみればAll About [中国茶]では、これだけあれば中国茶が始められるという茶器のご紹介をしていなかったので、今回、これだけあれば中国茶が始められる「中国茶のスターターキット」をご紹介することにしました。
まず、中国茶をはじめるに当たって、お断りしておきたいことがあります。それは、何かというと、「中国茶だからといって、特別な茶器が無ければ淹れられないわけではない」ということです。
よく耳にするのが「私、中国茶の茶器を持ってないから・・・」という言葉。でも、中国茶は日本茶や紅茶と同じ「お茶」ですから、中国茶用の茶器などなくても、常滑の急須、ガラスコップ、紅茶用ポットで十分代用が可能だということは覚えて置いてください。
まずは茶壷と蓋碗から
中国茶を淹れるための茶壷
さて、何はともあれ、お茶を淹れるのに必要なのは急須あるいはポットです。中国茶用の茶器としても、基本中の基本であるいわゆる急須は、「茶壷(ちゃこ・チャフウ)」と呼ばれる比較的小さめのもの。江蘇省宜興(ぎこう)という場所で「紫砂(しさ)」という粘土から作られるものが有名であることから「宜興紫砂茶壷」と呼ばれることがあります。
この茶壷は、陶器よりも粘土のきめが細かく、磁器よりは粗いという、ちょうど磁器と陶器の中間のような素材で作られていることから、熱伝導や保温性に優れ、おいしくお茶を淹れることができる茶器であるといわれています。
この茶壷、それこそいろいろな形のものがありますが、基本的には、日本茶用の急須と違い、取っ手が後ろにあるものがほとんどで、手のひらにすっぽりと収まるぐらいの大きさのもの(150cc程度の容量のもの)が初心者には使いやすいでしょう。
詳しくは「茶壷に恋する」をご覧ください。
これは急須代わりに使える蓋碗
さて、茶壷と並んで中国茶を淹れるためのもう一つの茶器が「蓋碗(がいわん)」です。もともと宮廷などで、お茶を飲む茶器として作られたものが、広東省の潮州などで、茶器として流用されるようになったのがきっかけだそうです。
蓋、茶碗、受け皿から成り立つ茶杯ですが、蓋の部分を少し空けて茶葉が出ないように茶を別の茶杯に注げば、急須代わりに使うことができることから、中国茶では茶を淹れる道具として一般的に使われています。
蓋碗は磁器製のものが多く、そのため、緑茶から黒茶まで広く使える便利な茶器です。慣れないうちは、指が熱く感じたり、蓋のずらし方が難しかったりしますが、使い慣れるとこんなに便利な茶器はありません。
蓋碗もあまり大きなものは使いにくいので、180cc程度の容量のものがお勧めです。茶杯部分が縦に長めのもの(コクチョンと呼ばれます。)を選ぶと、茶を淹れる蓋碗としては使いやすいでちょう。また、様々な柄のものがありますので、自分の気に入ったものを選ぶと良いでしょう。
次のページでは、茶杯について御紹介します。
<<関連サイト>>
茶壷については、壷倶楽部や壷迷などがすごく参考になります。
蓋碗にまつわるコラムは、Tearecipe2に少しUPしています。