中国茶/茶器・茶道具

ティーストレーナーのすすめ(2ページ目)

ティーストレーナー(茶漉し)を使うと、お茶がまろやかになります。使わない派の方も、使ったことのない方も、是非一度使ってみませんか?

執筆者:平田 公一

ティーストレーナーの効用



さて、では、そもそもティーストレーナーとはなんのために使うのでしょうか?

「茶葉が入らないため」と多くの方は答えるでしょう。

そう、ティーストレーナーの目的は茶葉が茶杯や茶海に入らないようにするためです。でも、それにはどのような意味があるのでしょうか。

茶葉が茶杯に入っても、そんなに気にならないなら、ティーストレーナーなどは必要ありません。如何しても気になるなら、茶葉だけ残して茶だけ飲めばいいのですから。

しかし、一度ティーストレーナーを使ってお茶を淹れてみてください。



ティーストレーナー使用(左)と不使用(右)


実は、茶殻が茶に入った場合、茶の舌触り、喉越しが違って感じます。

小さくクラッシュした茶葉が、茶とともに口の中に入ると、思いのほか敏感な舌がその存在を感知します。まろやかで甘いお茶に、その存在は意外と違和感を感じさせることが多いのです。

さらに、茶葉が少しでも茶に入ることで、茶杯の中でも茶の抽出が進みます。つまり、茶壺のなかで起こっている現象と同じ現象がわずかながらも茶杯の中で進むということなのです。

その結果、茶杯の中の茶の味や香りが、少しずつ変化してしまうのです。

これではいくら適正なお茶を淹れようとしても、自分の手を離れた後はそれが制御できなくなってしまうということなのです。

もちろん、その進行は非常に遅く微妙なものですから、茶杯に茶をそそいですぐに茶を飲んでしまえば、関係ないかもしれません。しかし、先に触れた口の中の違和感などと組み合わさって、デメリットが大きいということがおかわかりいただけるでしょう。

もちろん、お茶は嗜好品。そんな違和感「かんけいねー!」と言う方もいらっしゃるでしょう。もちろん、それはそれで良いのだろうと思います。でも、ティーストレーナーを使ったことのない方は、いちど比べてみてください。その違いを理解できると思います。

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