『drinkin' cha』
第三章 お茶小物王 |
第三章 お茶小物王
第三章はお茶小物王。表題のとおり、茶杯や茶壷のあれこれ。ここでも納富さんの独断が炸裂。でも、それがほとんど独断に感じないところが納富さんのすごいところ。ついつい、ほう!と引き込まれてしまうのです。「茶壷の形は味に影響するのか」、「茶壺が育つということ」といった硬派な内容の記事から、好みの茶壷「倣古壺」のことなど、いろいろと取り上げられています。
さらに、いままで中国茶の本に出てこなかった茶器「水筒」とか「タンブラー」なども登場してしまうし、外で飲むための道具とか「布甸楽園」の器までと、ストライクゾーンが目一杯広いのも彼ならではの目線。こんな道具の使い方もあるんだなと感心してしまうことしきりです。
第四章 drinkin' cha |
第四章 drinkin' cha
そして最後は、飲むということを中心に「冷茶研究」、「ほうじ茶」から、「ブレンド」や「ペットボトル」にまで言及し、彼の「好き」なお茶の飲み方を紹介してます。ほうじ茶なんか、普段飲んでいるときには全てどんなものでも「ほうじ茶」なのですが、「いやあ、絶対おもしろいですから」と、十数種類のほうじ茶をみんなで持ち寄って飲み比べてしまうというのも、また納富さんならでは。
実際に飲み比べてみると、本当にそれぞれ個性があって、自分の好き!が良くわかったりします。それよりもなによりも、こんなにほうじ茶を集めてしまう茶仲間も茶仲間ですけれども。
第四章 drinkin' cha |
沢山のコラムとインタビューも魅力
これらの章のあちこちには、納富さんのきらりと光るコラムがあちこちにちりばめられています。一番最後のページの「お茶ソングリスト」なんて、なんともマニアックで、良くこれだけお茶に絡んだ曲を探したものだと、感心すること仕切りです。もちろん、知らない曲満載。それに古い。それもまた魅力のひとつ。
また、海風號のご主人設楽光太郎さんインタビュー「モノの見方入門」、しゃおしゃんの前田千香子さんインタビュー「鉄瓶VSステンレス湯沸し対決茶会」、バンブー茶館店主のかめきちさんインタビュー「美味しいお茶とはどういうお茶なのか?」。そしておいしいお茶みつけたっ!《幻の中国茶を求めて》の愛里さんインタビュー。どれも読み応え満載です。