廣方圓のパッケージ |
さて、今回は、そんな台湾からおいしいお茶を届けてくれる「廣方圓」のラインナップから、中国茶ガイド平田が一番にお勧めする「梨山烏龍茶 雲梨翠暁」を取り上げてみました。
ちなみに廣方圓は、台北に正中茶荘として1980年にオープンした茶荘。茶荘の歴史としては20数年。しかも、台湾初のプーアル茶専門店としてもその名前が知られていました。廣方圓として台北に素敵なお店を開いたのは2003年。いまでは広く様々なお茶を扱っています。
オーナーの湯子霆さんは小さいときからお茶に親しんできたお茶のエキスパート。お茶を見る目は確かで、以前東京でもプーアルの目利きとして講座を開催したことなどもありました。その彼女が昨年東京の韻味を代理店とする契約を結んだので、いまでは日本にいながら廣方圓のおいしいお茶がネットでもサロンでも入手できるようになりました。
サロンの様子は、こちらへ!
薫り高い梨山茶 |
薫り高き梨山のお茶
さて、廣方圓のお勧めのお茶といえば、もちろん雲南省の野生茶やプーアル茶なのですが、実はそれだけではなく、すばらしい高山茶がいくつもあります。その中でも茶農と茶荘のコラボレーションで誕生したすばらしいお茶が「梨山烏龍茶 雲梨翠暁」なのです。茶農が製茶したお茶を茶荘が仕上げるという連携は台湾にも昔からあり、独自の完成度を持ったお茶として仕上げるのです。廣方圓のお茶も、清香系のものよりもやや強く火入れが施してあるものが多く、独特の味わいと香りの良さが特徴です。
梨山といえば、なんといっても清香系のお茶と長年信じてきたのですが、本当にこの雲梨翠暁をいただいたときに、その口当たりのよさ、口に残る甘さと余韻、さらに甘く華のような香りに、すっかり「やられた」というのが感想でしょうか。火入れがしっかりとしたお茶は、通常その味わいがどっしりとしていて、濃厚な甘みがあります。でも、このお茶はどちらかというと清涼感を感じさせ、さらに体にすうっと溶け込んでいくようなアイソトニック感まであります。「透明なお茶」という言葉が浮かんでくる、そんなお茶なのです。
梨山高山茶は、台湾の中でも有数の標高を誇る高山地帯に茶畑が点在しています。梨山の標高は約2200m。豊富な栄養分を含む土地柄のため、梨、水密桃などの果物や高原野菜が豊富に収穫される土地でもあります。午後になると霧が立ち込めて太陽の日差しがさえぎられるお茶の生育にとってはとても適した場所。だから透明感のある、濃厚な旨みのある上等なお茶ができるといわれています。
茶壷で淹れるとより一層。 |
仲の良いお友達、あるいは恋人と楽しんでほしいお茶
さて、このおいしいお茶をどうやって飲むか。おそらく廣方圓のお茶は茶壷で飲むのがいいのではないかと、個人的には思ってます。なぜなら、茶壷だと優しいお茶がより一層優しく感じられるに違いないと思うからなのです。多分、このお茶は普段飲みのお茶というよりも、いつもよりちょっとおしゃれしたいと思うときにブランド品を身にまとうような、そんな感覚のお茶なのだと思います。だから、いつものように蓋碗でささっと淹れて飲むのではなく、ちょっとだけ背筋を伸ばして、普段気にしない手の運びなどにも多少思いをはせて飲みたいお茶なのですね。
でも、あまりにもよそ行き過ぎるのも似合わない。そう、できればとても仲のよいお友達と一緒に、あるいは恋人と一緒に是非楽しんでいただきたい、そんなお茶だと思います。
もしも、「最高の最高」のお茶を廣方圓の茶譜から選ばなければならないとしたら、雲梨翠暁にはならないかもしれません。たとえば、大禹嶺烏龍茶 宇祥瑞景とか東方美人茶 極品 金蜜白毫とかを選ぶことになるのでしょう。
でも、あえてこのお茶をお勧めするのは、やはり私が一番好きだと思ったから。そして本当に少しだけおしゃれしたいときのためのお茶がこのお茶なのだと、そう思います。
もちろん、廣方圓の茶譜には、他にもいろいろなお茶が取り上げられています。一度サロンを訪問して、お気に入りのお茶を是非探してみてください。
■ 廣方圓
住所:〒152-0021 東京都目黒区東が丘1-16-17泰山館115
電話:03-3795-3614
FAX:03-3795-3624
HP:http://www.kohoen.co.jp/
Shop:廣方圓茗茶