中国四代茶区

中国丸ごと百科事典」の地図を加工。以下の地図も同様。


中国のお茶産地は、中国中に広がっています。陸羽の『茶経』に「茶は南方の嘉木」と在るように、南の亜熱帯地帯を中心に産地が形成されていますが、中国の地図を見てみると、中国の真ん中を流れている長江を境目に北と南に分けることが出来ます。

もう少し詳しく見てみると、大陸での茶の生産は、北緯18度から37度、東経94度から122度の広大な範囲で行なわれており、その総面積は110万ヘクタールにのぼるといわれています。この範囲の中には、浙江、湖南、湖北、安徽、四川、福建、雲南、広東、貴州、江西、江蘇、陜西、河南、山東、西蔵、甘粛、海南、など、21の省(市)の967の県・市が含まれています。気候的には、亜熱帯から熱帯の境界線までの地域と考えることが出来ます。

これらの地域は、現在4つに大まかに区分されています。以下では、その4つの産地をそれぞれ概観してみることにしましょう。

江北茶区(Jiangbei)

江北茶区
江北茶区は、中国の中心部を流れる長江(揚子江)を中心に北側に位置します。そのため、江の北ということで「江北茶区」と名付けられました。

この茶区に属する省は、安徽省北部、江蘇省北部、河南省、陜西省南部、湖北省北部、山東省、甘粛省。中国で最も北部に位置する茶の産地で、茶栽培の北限地域も含まれます。

この茶区の特徴としては、地形が複雑で主に丘陵地帯が分布しています。黄土中心の土壌に覆われており、それはやや酸性の強い土壌であると言われます。茶の栽培にはアルカリ性土壌よりも酸性土壌がよいといわれますので、茶を栽培するには比較的適した土壌だといえます。また、昼夜の寒暖の差が大きいことも良い茶を作る条件が整っているといえます。

しかし、年間降水量は少なく、700ミリメートルの~1000ミリメートルであり、降水分布が均等ではない(春夏に集中して降る)ため、干害を受けることが多いといわれます。また、全体的に気温が低い(年間の平均気温は15度を下回る)ので、茶を摘む期間が短いといわれています。

もちろん、少数の山岳地帯には良好な気候の地域があり、お茶の品質もその他の茶区に劣らないといわれます。

河南省の銘茶、信陽毛尖
おもに、緑茶を中心に栽培が行われており、大部分が潅木型の中葉種と小葉種が大部分を占めています。

この地域で有名なお茶は、

  陜西省 紫陽毛尖(しようもうせん)
      午子仙毫(ごしせんごう)
  河南省 信陽毛尖(しんようもうせん)
      仰天雪緑(ぎょうてんせつりょく)
  安徽省 六安瓜片(ろくあんかへん)
      霍山黄芽(かくざんこうが)
  江蘇省 花果山雲霧茶(かかざんうんむちゃ)
  湖北省 東雲山毛尖(とううんざんもうせん)
  山東省 碧緑茶(へきりょくちゃ)
      松針茶(しょうしんちゃ)
  甘粛省 碧口龍井(へきこうろんじん)
      龍神翠竹(りゅうじんすいちく)   

江南茶区(Jiangnan)

江南茶区
一方で、江南茶区は、長江の南側に位置するために、この名前がつきました。

浙江省、安徽省南部、江蘇省南部、湖南省、江西省、湖北省南部、福建省北部あたりがこの茶区に含まれます。海抜は1000m以上の高い山もありますが、どちらかというと低い山々や丘陵地域が多いのが特徴です。

有名な茶産地として、浙江省の天目山、福建省北部の武夷山、江西省の盧山、安徽省の黄山などがこの地域に含まれます。

日本と同じく四季がはっきりしており、茶の生産にも非常に適した地域であり、そのために、茶の生産量としては他の茶区に比べ多く、年間生産量は全国の総生産量のを2/3を占めるといわれています。
年間平均気温は15℃~18℃で、年間降水量は1400ミリメートル~1600ミリメートルとなっています。

緑茶、黄茶、紅茶が生産されていますが、特に緑茶は中国の生産の多くをこの茶区でまかなっています。その意味では、この地域が中国の茶業の中心的存在といえるでしょう。

なお、栽培される茶の木は、大部分が潅木型の中葉種と小葉種だと言われています。
この地域で有名なお茶は非常に沢山あります。

江蘇省の銘茶、碧螺春
  安徽省 黄山毛峰(こんざんもうほう)
      太平猴魁(たいへいこうかい)
  江蘇省 碧螺春(ぴろちゅん)
  浙江省 龍井(ろんじん)
      径山茶(けいざんちゃ)
  江西省 双井緑(そうせいりょく)
      得雨活茶(うとくかっちゃ)
  湖南省 君山銀針(くんざんぎんしん)
      高橋銀峰(こうきょうぎんぽう)
  湖北省 恩施玉露(おんしぎょくろ)
  福建省 武夷岩茶(ぶいがんちゃ)
      白毫銀針(はくごうぎんしん)、
      政和工夫(せいわくふう)