例えば中国茶館では、中国の伝統音楽やそれを現代風にアレンジした音楽が流れていることがよくあります。中国茶の雰囲気にマッチしたゆったりとした音楽が多いからでしょうか。女子十二楽坊なども人気がとてもありますね。
最近、そんな中国茶にあわせる音楽についての本が出版されました。編者は中国茶文化国際検定協会会長の棚橋篁峰さん。
実は昨年、この本を丁度書かれていた棚橋さんと東京でお会いする機会があり、ゲラを見せていただきました。なにやらとても楽しそうなゲラだったことと、中国茶と音楽を一緒に取上げた本は今までまったくなかったことなどから、出版をとても楽しみにしていました。先日アジア文化国際交流会(会長は棚橋さん)が京都の建仁寺大方丈で開催した中国茶の集いで、この本が販売されるとお聞きして発売されたことを知りました。
棚橋さんは、「中国茶は五感六感をフルに働かせて味わうものではないか」と本の中でも書かれています。「第一は、香りを楽しむ、第二は、味を楽しむ。第三は、姿を楽しむ。第四は、音色を楽しむ。第五は、全身の感覚で楽しむ」のが中国茶の楽しみなのだと。
そんな棚橋さんがナビゲートするのは、六つ種類のお茶にマッチした音楽。例えば、「緑茶をおいしくする音楽」や「青茶をおいしくする音楽」等が取上げられています。緑茶や青茶の性格を良く知り得た棚橋さんだからこそ、それに合わせる音楽の選び方も的確です。もちろん、読者にもそれぞれのお茶の性格が理解できるように「中国茶入門」的な内容も一緒に掲載されているので、ハンディーな参考書としても利用できてしまいます。
またページのあちこちに、中国茶と音楽に関わるコラムやエッセイが挿入されており、中国茶と音楽のコラボレーションを楽しむことができるようになっています。
そして、やはりなんといってもこの本のお薦めは、「中国茶をおいしくする音楽70選」です。中国古典楽器を使った音楽を中心に、中国茶のために企画されたり、各国のヒーリング音楽の中から選ばれたCDを沢山紹介しています。いままで聞いたことの無かった音楽をこの中から探してみることは、きっとみなさんにとって楽しい作業になるでしょう。
さらにこの本には選りすぐりの音楽を集めたCD「中国茶藝の音楽 ~ Healing Music of Chinese Tea ~」が添付されています。ここには、中国の古典楽器に洋楽器を取り入れ、中・洋が調和したヒーリングミュージック10曲が収録されています。これらの曲はどこか懐かしい異郷の響きが心地よさを運んでくれるものばかりです。
ゆったりと過ごす週末に一杯のおいしい中国茶とともに是非楽しんでいただきたい本と音楽です。
「五感で楽しむ中国茶と音楽」 監修・著 棚橋篁峰 出版社 紫翠会出版 価格 3,000円(税込み) 発行日 平成16年6月10日 ISBN4-916007-89-1 購入はこちら |
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