▼ ガイド さて、実際に台湾でお茶を学んだ大倉さんが、ネットショップを始められたきっかけはなんだったのでしょう。 ▼ 大倉さん 台北市内の茶荘へお茶を買いに行くたびに、日本人観光客を見かけました。上級クラスのお茶では品質差は実に微妙なのですが、結局、その違いが分からないまま、みんな店員の勧められるがままに一番高価な茶葉を買って行く、そんな光景を何度も目撃しました。 台湾での生活を終えて帰国すると、日本は空前の中国茶ブームでした。しかし、多くのショップを回って感じたのが、的確な茶葉選びや淹れ方のアドバイスできる店員が少ないこと。産地や収穫時期の表示もなく、茶葉も見せてもらえず、価格だけで中身を推測するほかないんです。 これはもう、自分で理想の店を作っていくしかないと思いましたね。 ▼ ガイド そうなんですよね。台北に行くと日本より安いから、なんとなくお茶を買ってしまう。でも、本質的なお茶の良さってなかなかわからないですよね。でも、「茶葉も見せてもらえず」というのは、オンラインショップも同じような気がしますが・・・。 ▼ 大倉さん オンラインショップにこだわるのは、お客様が手軽にアクセスできるからです。店員の視線を気にせず、まずは商品説明をじっくり読んでいただき、その日の気分や好みに合ったお茶を見つけてほしいのです。さらに、お客様のご購入履歴を元に、次回は更に適切なお茶選びのお手伝いができるという点においては、オンラインショップは実店舗以上の満足度を提供できると考えています。 ▼ ガイド なるほど、オンラインショップには、茶葉が見れられないというデメリット以上のメリットを感じているということですね。 さて。「台湾茶ドットネット」がターゲットにする顧客層はどんな層なのでしょうか? ▼ 大倉さん ターゲットの顧客層は年齢、性別に関係なく、「お茶の選び方が分からない」「今飲んでるお茶をもっと知りたい」「ワンランク上のお茶を飲みたい」という方々です。お陰様で、すでに多くのリピーターにご支持をいただき、茶芸館・喫茶店とのお取引も増えてきました。 ▼ ガイド 「理想の店」として始めた大倉さんが目指す、オンラインショップのあり方を教えてください。 ▼ 大倉さん 商品数の多さにはこだわらず、自信を持ってお勧めできるお茶だけを販売するということでしょう。また、弊店ではお客様との対話を大切にし、お客様一人一人の好みに合わせたお茶選びや淹れ方のご提案も行っております。特に力を入れている商品は木柵正叢鐵観音です。ずっと住んでいた木柵のお茶だけに、これだけは絶対に譲れませんね。 ▼ ガイド あくまでもお茶にこだわるということですね。 ▼ 大倉さん そうです。 あとは正確な情報提供です。台湾茶関係のニュースは毎日欠かさずチェックしてますし、茶道の先生方とは頻繁に連絡を取りあい、現地スタッフは台湾中に情報収集のアンテナを張り巡らしています。最近では優良茶園の偽物茶や、綺麗な茶缶に入った産地偽装茶が社会問題化しています。これらの情報はサイトやメルマガを通して発信しています。 ▼ ガイド そう言えば、先日も私のサイトで武陵農場のお茶の缶の情報を提供してくださいましたね。日本にいたのではなかなか分からない情報で助かりました。 <<前へ 1 / 2 / 3 / 4 次へ>> 前のページへ1234次のページへ