中国茶/茶器・茶道具

茶壷に恋する(3ページ目)

茶を淹れるためだけの器なのに、なぜもこんなに茶壷をいとおしく思うのだろう。しかし、自分で茶壷を選んで茶壷を育てれば、きっとあなたも恋に落ちる!

執筆者:平田 公一

茶壷の育て方

このようにして選んだ茶壷。大切に大切に育ててください。茶をじっくりと茶壷で飲むことによって、その茶壷が育って行くのです。このように毎日茶壺を手入れすることを「養壺(ヤンフー)」といいます。紫砂壺は磨くほど、非常に良い光沢が出てきて、独特の風合いになります。この養壺が楽しくてお茶を飲む人がいるほどです。

気に入った茶壷を入手したら、先ずは「下ろし」の作業をしてください。

【茶壷の下ろし方】
最初に、歯ブラシにクレンザーをつけて茶壺を丹念に磨き、ワックス、汚れや油などを取り去ります。そのあと、鍋に茶壷が隠れるくらい水をいれ、茶壷と茶葉を入れとろ火で30分ほど煮込みます。必ず水から茶壷を煮てください。冷えたら、茶壷をそのまま乾かし、表面に水気が無くなったら、柔らかい布で磨きます。これでお茶を淹れられる状態になりました。

さて、重要なのは、普段の茶壷の扱い方です。養壷の基本は「茶葉によって使い分けをすること」です。これは高山茶用、これは鉄観音用と、茶壷が増えれば、こんな風に分けて使えると良いでしょう。でも最初は、清香系の台湾茶用といったように、似たような系統のお茶で区別すると良いでしょう。

【養壷の仕方】
茶壷に湯を注ぎ、中を綺麗にして暖めます。茶葉を入れて、湯を注いで、蓋をしたあと、上から湯をかけます。そして茶を入れるのですが、そのあと茶壺の地肌が熱く、表面が乾かないうちに木目の細かい布で磨きます。地肌が乾いてしまった場合は、養壷筆という刷毛で茶を塗ってからみがいたりもします。このとき気を付けることは、茶船に茶壷を水没させたままにしないこと。ツートンカラーになってしまいます。養壷座や茶盤を使うと良いでしょう。地肌が乾いたら今度はやや木目の粗い布で綺麗に磨きましょう。これで光沢が出てきます。
使い終わった茶壷は、茶殻を採りだし水を流す程度に洗います。そして蓋をとって、乾燥してください。

このようにして育てた茶壷は、きっともう手放せないはず。じっくりと茶壷に嵌って、大事に慈しんであげてくださいね!

  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます