茶壷の育て方
このようにして選んだ茶壷。大切に大切に育ててください。茶をじっくりと茶壷で飲むことによって、その茶壷が育って行くのです。このように毎日茶壺を手入れすることを「養壺(ヤンフー)」といいます。紫砂壺は磨くほど、非常に良い光沢が出てきて、独特の風合いになります。この養壺が楽しくてお茶を飲む人がいるほどです。気に入った茶壷を入手したら、先ずは「下ろし」の作業をしてください。
【茶壷の下ろし方】
最初に、歯ブラシにクレンザーをつけて茶壺を丹念に磨き、ワックス、汚れや油などを取り去ります。そのあと、鍋に茶壷が隠れるくらい水をいれ、茶壷と茶葉を入れとろ火で30分ほど煮込みます。必ず水から茶壷を煮てください。冷えたら、茶壷をそのまま乾かし、表面に水気が無くなったら、柔らかい布で磨きます。これでお茶を淹れられる状態になりました。
さて、重要なのは、普段の茶壷の扱い方です。養壷の基本は「茶葉によって使い分けをすること」です。これは高山茶用、これは鉄観音用と、茶壷が増えれば、こんな風に分けて使えると良いでしょう。でも最初は、清香系の台湾茶用といったように、似たような系統のお茶で区別すると良いでしょう。
【養壷の仕方】
茶壷に湯を注ぎ、中を綺麗にして暖めます。茶葉を入れて、湯を注いで、蓋をしたあと、上から湯をかけます。そして茶を入れるのですが、そのあと茶壺の地肌が熱く、表面が乾かないうちに木目の細かい布で磨きます。地肌が乾いてしまった場合は、養壷筆という刷毛で茶を塗ってからみがいたりもします。このとき気を付けることは、茶船に茶壷を水没させたままにしないこと。ツートンカラーになってしまいます。養壷座や茶盤を使うと良いでしょう。地肌が乾いたら今度はやや木目の粗い布で綺麗に磨きましょう。これで光沢が出てきます。
使い終わった茶壷は、茶殻を採りだし水を流す程度に洗います。そして蓋をとって、乾燥してください。
このようにして育てた茶壷は、きっともう手放せないはず。じっくりと茶壷に嵌って、大事に慈しんであげてくださいね!