中国茶/茶器・茶道具

茶壷に恋する(2ページ目)

茶を淹れるためだけの器なのに、なぜもこんなに茶壷をいとおしく思うのだろう。しかし、自分で茶壷を選んで茶壷を育てれば、きっとあなたも恋に落ちる!

執筆者:平田 公一

茶壷の種類

茶壷には、様々な色や形のものがあり、棚に飾っておくだけで非常に楽しいのですが、そのスタイルから「筋紋型」、「自然型」、「幾何型」に3分類されています。「筋紋型」は茶壷に線の入ったもの、「自然型」は梅の木、竹や蛙、兎などを模したもの、そして「幾何型」はオーソドックスな形の茶壷です。また、幾何型の茶壷は、外形から「円珠壺」、「直筒壺」、「倣古壺」など数多くの種類に区分されています。


筋紋型
(菊心壷:菊の花のような縦線がきれいに入っているものです。)


自然型
(梅段壷:梅の切り株と花などに模した茶壷です。)


幾何型
(倣古壷:一番オーソドックスな形で、やや扁平なものです。)

良い茶壷とは?

このように沢山ある茶壷、ではどうやって見分ければ良いのでしょう?見分け方のポイントをいくつか掲げてみましょう。

■ 見た目に上品であること
見た目に優雅な茶壷であること長く使っていて、飽きの来ない茶壷を選ぶこつになります。いくら感覚的に良いと思っても、その茶壷に品が無いと台無しですね。

■ 作りがきちんとしていること
ひび割れや傷がなく、本体と蓋に隙間が無くしっかりと噛合っているものが良いものです。蓋にある取手(紐:チュウ)に開けられた穴(孔:コウ)を塞いだときに湯が口から漏れないものがよいものです。

■ 固く焼き締められているもの
きちんと焼き締められているものが上等なものとされますが、茶壷の薄いものと厚いものでは、若干性格が異なります。薄めで固いものは性格上磁器に近くなり、香りがたちますが、一方で、しっかりと厚みのあるものは、保温の効果が良く、まろやかな落ち着いた感じになります。

■ 形のバランスの良いもの
デザイン的にバランスがとれていることも重要な要素です。形そのものも重要ですが、各パーツどうしが形良く作られているかを良く観察してみましょう。左右や上下のバランスがとれていて、安定感のあるものが良い壺です。

■ 地肌の色艶の良いもの
余りてテカテカしているものは蝋やワックスが塗られているものです。自然と品があって艶の良いものが良質なものです。土の素材にもこだわって、普段から良いものを見て目を養いましょう。

■ 機能的なもの
茶壷は、芸術品として集めるので無ければ、所詮は茶を入れる道具。ですから、きちんと茶が淹れられるかが最大のポイントであるのです。水の出は良いか、注ぎやすいか、持ちやすいか、茶葉がいれやすいかなどをチェックしてください。

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