乾燥フルーツは、おそらく蜜餞の流れを汲む加工食品なのでしょう。しかし、蜜餞と一線を画すのは、果物のそのままの美味しさを生かして、乾燥加工したものだということです。ここでは中国茶のお茶請けとしてよく出される芒果、無花果、葡萄をご紹介しましょう。漢字で書くとなんだかよく分かりませんが、どれも非常にポピュラーな果物です。
芒果は、いわゆるマンゴー。香港に行かれたことの在る方は、「芒果布甸」(マンゴープリン)とメニューに書かれれてあるのを多くのお店で目にしたことでしょう。インド、マレーシア一帯が原産の植物で、中国へは、あの孫悟空で有名な玄奘法師がインドから種子を持ちかえって植えたとされています。
もっとも、多くの乾燥芒果は、今ではフィリピン産。熟した見を乾燥させたものや、まだ青いままで乾燥させたもの、さらには砂糖漬けのようなものまでありますが、オーソドックスな干芒果が一番だとおもいます。
干無花果は、イチジクを乾燥させたものですが、日本のイチジクとは違い、小さな白いイチジクです。主に中央アジアから輸入されているらしく、原産がイラン等となっています。歴史的には、ザクロ、ブドウとならび非常に古い果物だそうです。
小さくてかなりの乾燥度で、からからしています。半分に割ると、中はキャラメル色の果肉と小さな芥子の実のような種子が一杯詰まっています。味の方もキャラメルのような味と種子のプツプツ感が何とも言えずにおいしいのです。
干葡萄は、日本でも様々な用途で使われていますが、中国では、漢代に武帝が西域に勢力を伸ばした際に伝来したと言われている果物です。原産は地中海沿岸です。いまでも西域の新疆ウイグル地区を中心に各地で葡萄の栽培が行われています。
特に、ウイグル地区に産する干葡萄は、非常に味が濃厚で、しかも日本の干葡萄のような色ではありません。この地区は非常に乾燥した地区ですが、流れる清水のわきに作られたブドウ畑で作られる干葡萄は、本当に絶品です♪