蜜餞とは、いわゆる砂糖を加えて加工した果物のことです(工夫茶のお茶請けそのものを蜜餞と呼ぶこともありますが、本来は乾燥フルーツを意味します。)。これも瓜子とならんで、中国茶のお茶請けのスタンダードとしてよく知られています。しかも、さまざまなフルーツが蜜餞として加工されていますが、ここでは、その代表選手である烏龍茶梅、蜜棗、そして金柑ご紹介しましょう。漢字で書くとよく分かりませんが、どれも非常にポピュラーな果物です。
烏龍茶梅は、読んで字のごとく、烏龍茶と砂糖で煮こんだ梅の加工食品です。中国では古くから梅を砂糖で漬けたりした加工品が様々に作られてきましたが、この「烏龍茶梅」は比較的新しいお茶請けで、主に台湾で作られています。
台湾の茶藝館へ行ったことが在る方なら、いくつかの種類の烏龍茶梅が出された経験があると思いますが、青梅の色を残したままのものや、真っ黒に煮込んだものなどいろんな種類の烏龍茶梅があります。とてもおいしいお菓子ですね♪
蜜棗は、棗(なつめ)を蜜で煮込んだものです。棗も古くから中国にある果物で、漢の時代には栗と一緒に救民食として書物に出てきます。品種も沢山あって、生で食べるものから乾燥用など、さまざまな用途には利用されています。
蜜棗は、特に大棗を蜜で煮込んであるため、あまくやわらかく、焙煎の強い烏龍茶などによく合うお茶請けです。ビタミンCも豊富に含まれています。類似のものとして、「烏棗」(煮た後、燻製にする。)、「南棗」(煮た後、独特な製法で乾燥させる)、「紅棗」(そのまま乾燥させたもの)などがあります。
金柑は、日本でも加工して食べられるものですので、ご存知の方も多いでしょう。この金柑は煮込んで乾燥させたものに砂糖がまぶしてあるものです。もちろん、金柑を煮込んだだけのものなどいろんなバリエーションがあり、それもお茶請けとしての蜜餞の楽しいところですね。
金柑も中国の広い地域で作られていますが、緑茶の産地である浙江省が原産地だと言われているそうです。