そんな音楽の中で、有名なのが台湾のレコード会社「ウインドレコード」が発売しているCD「閑情聴茶」シリーズ。中国茶を題材にして、茶藝館やお茶を飲む空間で流すことを目的とされたミュージックは、現在7巻まで発売されています。
清香満山月(左)、香飄水雲間(右)
まず、聴茶1の「清香満山月」。中国地方音楽をモチーフに、有名なお茶を表現したこの第一作目は、このシリーズの全てに共通する「和み」を非常にうまく表現し、話題になりました。西湖龍井、広東鳳凰水仙、洞庭碧羅春、台湾凍頂烏龍茶、ミン南功夫茶、蒙古女乃茶などを表現した8曲が収録されています。特に、「従來佳茗似佳人~西湖龍井」とか、「清香満山月~広東鳳凰水仙」、「芳気満閑軒 ~洞庭碧螺春」などと、その曲を思い浮かべられるような曲名になっているのが、心惹かれます。
第ニ作目の聴茶2「香飄水雲間」も、1作目の路線を継承しつつ、大自然の音である水、昆虫、鳥、海潮の音を加えるなど更に音の広がりを追及しています。1作目同様、有名なお茶の名前を曲名にして、蘆山雲霧茶、普沱山佛茶、信陽毛尖、台湾包種茶、黄山毛峰など全8曲が納められています。
桂花龍井(左)、鉄観音(右)
第三作目は、聴茶3の「桂花龍井」。これは、様々な「友」をテーマにしており、曲名は全て花茶。それぞれのお茶が「清友」であったり、「韻友」、「雅友」であったりと、お茶を飲むことで、どのような友を現しているのかがわかるような曲作りとなっています。綺麗な花茶の名前が非常に生きているCDです。
第四作目は、このシリーズの知名度を台湾内外に知らしめた代表作。その名も「鉄観音」。音の路線は第一作目を引き継いでおり、静かな、心地よい音楽に仕上っています。曲名は、鉄観音、鳳凰単叢、水金亀、白毫烏龍、永春仏手、大紅袍、鉄羅漢と、有名な青茶を列挙してあり、思わずどんな曲だろうか?と目にしたら必ず手に取ってみたくなるCDです。