本戦さながらの最終選考

2011年1月、フランスはリヨンのシラ国際外食産業見本市で開かれるパンの国際 コンクール、第3回モンディアル・デュ・パンに出場する代表選手の最終選考が 2010年5月26日、日本菓子専門学校で行われました。

予選や過去のモンディアル・デュ・パンについてはこちらをご覧ください。
モンディアル・デュ・パン日本代表選考会(2010) 

最終選考に残った7名は、本戦さながらにアシスタント1名をつけて、センスと技とチームワークを競いました。 アシスタントは、2011年1月の大会当日に22歳以下であること、という規定があります。

バゲットと同生地のパン、栄養と健康を考えたパン、サンドイッチ、ヴィエノワズリ類が美しく並ぶ(Boulangerie Parigot 安倍竜三さんの作品)

競技課題は、盛りだくさんです。 日常のパンとしてバゲット、バゲットと同生地のパン、 出身国のお国柄を表すパン、栄養と健康を考えたパン、 栄養と健康パンのサンドイッチ、折込発酵生地で作るクロワッサン、それと同生地のパン、そして最後に組み立てる芸術作品としてのパン。それぞれに素材や重量、個数や種類等に細かい規定と審査基準があります。

Boulangerie Parigot 安倍竜三さん、リヨンでの決勝へ

ダントツの最高得点で第3回モンディアル・デュ・パンに出場が決まったのは、 大阪のBoulangerie Parigot(ブーランジュリ パリゴ)の安倍竜三さんでした。 おめでとうございます!

安倍竜三さん(Boulangerie Parigot)、アシスタントの濱岡由佳さん(イグレックプリュス)
安倍竜三さんの作品

安倍さんのクロワッサンには定評があります。また、スペルト小麦の玄麦を発芽させ、熱処理を加えたものを フードプロセッサにかけて練りこんだパン、「パン・ア・エポートル・ジェルメ」が課題の「健康と栄養を考えたパン」として味の点でも評価を得ていました。サンドイッチは自店でも人気という「ツナと松の実のサンド」。仕上げにカリカリのチーズが造形美を添えました。

2位はVIRONの松田武司さん

総合得点2位の成績で、リザーバー(補欠)として来年、リヨンに同行することになったのは VIRONの松田武司さんでした。

松田武司さん(VIRON)、アシスタントの栢野めぐみさん(VIRON)

安倍さんは何といっても芸術的な五重塔が目を惹きました。台座には日本の四季の花のついたパンやお馴染みクリームパンやあんパン。春の七草を練りこんだ発芽玄米の食パンも日本を表していました。普段あのレトロドールを使いこなしているのですからバゲットも評価を得たことでしょう。ヴィエノワズリに使われたバターはすべてエシレだそうです。

松田武司さんの作品

これからの国際コンクール

審査員の総評で帝国ホテルの山崎隆二さん(※注)は次のように話されました。

「フランスで開催されるというのに、全体的にバゲットが弱かった気がします。 健康パンはいろいろなアイデアが面白かった。飾りパンについてですが、先日行ってきたマスター・ド・ラ・ブーランジュリー(個人で競う国際大会)ではもう、飾りパンの域を超えて、お菓子のピエス(飴細工やチョコレートを使った装飾的な大型のお菓子)の世界に入ってきています。この先、国際コンクールで勝つには、そういう路線で行かないとならないかな、と感じます。
でも、全体にレベルがすごく高くなってきていますね。今の若い人たちは、日本人がクープ・デュ・モンドで高評価を得た頃(1994年)のレベルに既に達している。あとはアイデアと独創性です。自信を持って工夫すれば日本の優勝も間近では、と思います。頑張ってください! 」

※注 環境依存文字で表示できない漢字を使用可能な「崎」で代用しています。

日本代表として、来年1月の本戦へ向けて、優勝の構想と練習の日々を送る安倍さんを、応援していきたいですね。

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