フランスのパンと日本のパン

昨年11月、丸の内のTOKIAにVIRONの新店ができた時、地下にもうひとつの店がOPENしました。同じ株式会社ル・スティル西川隆博氏による別の店、「みんなのぱんや」です。
VIRONがフランスのパンなのに対し、みんなのぱんやはジャムパンやコッペパンなど昔ながらの日本のパンを販売しています。
路面店のブラッスリーは雰囲気がある。ビルの地下には「みんなのぱんや」。
質のよいパンを追求しての原点回帰はフランスだけでなくて日本のパンにも。
かのバゲットレトロドールを日本でつくりあげたVIRONの技術者、牛尾則明氏は、昭和30年代の日本のパンも再現しました。

材料も設備もよくなかった時代には、職人の技術がそれを補っていました。当時の、しっかりと発酵させ熟成させるほんとうの職人にしかできない製法で、みんなのぱんやのパンはつくられています。

みんなのぱんやの誕生


地下街の対面販売

西川隆博氏にお話を伺いました。
「今の日本のパンは材料の品質が良くなり、設備や製法も進化したことで 簡単に一定の美味しさが出せるようになりました。でも、大量の新製品の発売など表面的なものづくりが主流となる中で、時間をかけてひとつのものをきわめるということがおろそかになっているように感じました。そこで、日本で昔から親しまれているパンの原材料の選定や製法の検証をしながら、美味しいパンをひとつひとつ作り上げていこうと、数年前から取り組んでいます。」

西川さんにはVIRONの渋谷店OPENにあたってインタビューしましたが、今回の取材中も同じようなお話を伺うこととなりました。

「30年前の週刊誌、かけそば、あんぱんの値段はだいたい同じでしたが、他は2~3倍になっていてもパンだけは価格据え置きです。価格を抑えるには添加物に頼るなど、職人でなくてもできる方法を使うことになります。このままでは本当の職人はいなくなってしまう。」
それを危惧した西川さんは実家のニシカワ食品の資料をもとにこの店で、昔ながらの製法でつくる日本のパンを提案したのです。

日本全体のマーケットを見ればVIRONの主力商品のようなハード系のパンの売上げは1割。それ以外のパンも、職人の技術と手間をかけてきちんと作り、適正価格を認めてもらうことが、やりがいを持っていいパンをつくることができる職場を生み、ほんとうの職人を守ることになる、と西川さんは考えています。


黄金ぱん(きなこ揚げパン)130円

ちょっと難しい話になってしまいましたが、 次のページはおいしいパンの紹介と店舗情報です。