パン/パン業界情報、イベント

愛パン家渡邉政子さんの一日『パンの会』(2ページ目)

日本パンアドバイザー協会主催、愛パン家の渡邉政子さんによる一日限定復活『パンの会』を取材。バゲットの食べ比べ、パンの愉しみかたに関する渡邉さんのお話の他、野菜ソムリエによるパンに合うおかずもご紹介。

清水 美穂子

執筆者:清水 美穂子

パンガイド

パンの定点観測

「私はどんなパンでも1センチ厚に切りますが、皆さんは普段のやり方で食べてみてください。食べたら必ず言葉を発してくださいね。 ”~なところがおいしい”と。無言で食べないでくださいよ」渡邉さんの説明に、あちこちのテーブルが賑わってきます。かつての「パンの会」のイベントはそんなふうに進行したのだそうです。

渡邉さんがバゲットでも食パンでもライ麦パンでもクロワッサンでも1センチにスライスするというのは、定点観測ということだと思います。いつも同じスタイルで食べることで違いがよくわかり、自分の好みを知っていく上でいい方法となるようです。

おいしいバゲット4種類

試食したのは4種類。粉や酵母、製法の違いで、シンプルなバゲットはそれぞれ、異なる味わいです。参加者はその香り、触感(あるいは食感)などに注意を向けながら味わっていました。

ベッカライ ブロートハイムのバゲット320円。フランスパン専用粉リスドオル、ドライイースト、水、塩で約6時間で出来上がる基本的なバゲット。

ベッカライ ブロートハイムのバゲットは4本の中で一番長く「皮と口どけの良さが好き」という渡邉さん一番のお気に入り。香ばしくパリパリした皮が軽く、たくさん食べられる感じ。あっさりした野菜のおかず、例えばこの後で野菜ソムリエによって紹介されるサラダとも相性が良いパンでした。

アルティザン テラのビオバゲット262円。フランス小麦と国産小麦、ドイツのビオ酵母、水もビオ、 塩はゲランド、低温長時間発酵。

アルティザン テラのビオバゲットは4本の中で一番短くて小さい、オーガニック素材のバゲットです。甘いような酸っぱいような香りに特徴がありました。試食後にどれが一番好きか挙手したとき、参加者の一番の人気を獲得しました。

ネモ・ベーカリーカフェのバゲット260円。 カナダ小麦、モンゴル塩、8年間継いでいる自家製酵母使用。

ネモ・ベーカリーカフェのバゲットは味が濃い。「この重さはお酒や肉料理に釣り合いがとれるバランス」との説明がありました。リエットやパテ、ワインと相性が良さそうです。

ブーランジェリーパリゼットのバゲットトラディション231円。フランスパン専用粉リスドオル、ドライイースト、水、塩で低温長時間発酵。

ブーランジェリーパリゼットのバゲットトラディションも短め。ブロートハイムと同じ粉を使いながら、製法によって異なる味わいが興味深いものです。この日のわたしはプレス席から、このパンに挙手していました。

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