ZOPFの伊原やすともさん、りえさんによるセミナー講師の伊原やすともさん、りえさん 今回の講師はZOPFの伊原やすともさん、りえさん。ZOPFは松戸の人気店で1965年創業の店を2000年の世代交代を機にリニューアルオープン。(2002年の取材記事「極上の笑顔と幸せな仕事 パン焼き小屋 ツオップ」参照) All About【パン】で毎年開催しているパン屋さんの人気投票では2002年(6位)、2003(3位)、 2004(1位)、 2005(2位)、と連続上位という大人気のパン屋さんです。 セミナーは、1日に6000個のパンを操る店長の伊原やすともさんによるデモンストレーションに、カフェルーエプラッツ ツオップ店長でZOPFの外交から雑務、スタッフ教育までを担当するりえさんによるお話を織りこむようにして進行しました。まさに編みパンツォップのようなセミナー。最後はZOPFのパンとFixingと呼ばれるペーストなどの小さな惣菜、チーズを味わう小さなパーティで締めくくられました。 最初に、実演されたパンについてご紹介しましょう。このページでは当日仕込みで時間があまりかからないバターロールとそのバリエーション、次のページでは前日に仕込んで翌朝からいつでも焼きたてが出せるパンをご紹介します。 ZOPFのバターロールりえさんは、初めてのパン屋さんに行くと必ずバターロール、クロワッサン、バゲットを買うのだそうです。そういうパンを食べ比べると、お店の姿勢や考え方が見えてくるからです。そのりえさんが「日本一おいしい」というバターロールです。
「バターロールをきちんとつくるパン屋さんは貴重です」とりえさん。 この生地で100種類ものパンができるそうです。早速披露されたバリエーションは子供向けの動物パン。食事のときに食べてもらえるようにクリームやあんこは入っていません。 ZOPFは通常250種、週末300種のパンが並ぶ店。 それは売れるものに力を注ぐのではなく、売れないものに力を注いできた結果なのだそうです。たとえばハード系のパンの売上げがよく、菓子パンが売れない時は、ハード系のパンをどんどん焼くのではなくて、もっとおいしい菓子パンを出そうと努力するということ。 「定番としていつもあることは、新しい商品が出る以上に大事なこと。お客さんが気にいったパンが次に店に来た時、店頭にないと悲しいよね。売れないパンは消していくのではなく、おいしくして出す信念のようなものを持ってね、定番をいかに増やすかを考えています」やすともさんは言います。 新商品開発には頭を悩ませたことがないという彼はこう続けます。「柔らかく考えること。食べものばかり見て考えないで、風が気持ちいいとかいうことで……かっこよすぎ?(笑)……イメージを持つことだよね。考えなきゃと焦っているとろくなものができないから」 講習の途中、りえさんが「そろそろビニール袋に入れたい感じ」とつぶやくのを聞きました。いつもパンへの気配りを忘れない人です。 バターロールは焼きたてより翌日がおいしいので、乾燥させないように 粗熱がとれたところでビニール袋に入れたいパンなのだそうです。
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