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第15回アメリカンベーキングセミナー

ベーカリーワールドカップのかつての優勝チームに所属していたスイス出身のシェフ、ロバート・ジョリン氏によるイチジク、クルミ、レーズンを使った12種類のパンと焼き菓子の実演講習会をレポートしました。

清水 美穂子

執筆者:清水 美穂子

パンガイド

ロバート・ジョリン氏が創るパンと焼き菓子

ロバート・ジョリン氏
イチジク、クルミ、レーズンはワインやチーズに合うパンに、自然の甘味を生かしたお菓子にと幅広く使われる人気の素材です。

日清製粉で6月に開催された第15回アメリカンベーキングセミナーで、それらを使ったパンをロバート・ジョリン氏が実演しました。

ジョリン氏はスイスで60年以上続くベーカリーの家に生まれ、ヨーロッパでペストリーシェフとしての経験を積んだ後、渡米し1999年にクープ・デュ・モンド(ベーカリーワールドカップ)で優勝したアメリカチームの職人のひとりでした。現在はアメリカ料理学院(CIA)のベーカリー講師をされています。

この記事ではセミナーで実演されたパンをご紹介します。

レーズンのパン


Raisin Curry Rolls
■レーズン&カレーパン

欧米のパン職人さんが創るとは意外な気もする揚げないカレーパンは、スパイシー。スパイスを和らげるために生地には21%のカッテージチーズが入っています。
中のフィリングはじゃがいもを主体にした白いカレーで、コリアンダー、ショウガ、クミン、グリーンチリ、カイエンペッパー、コエンドロの葉を使い個性的です。トッピングはレーズンとタマリンドのチャツネ。

Currant-Orange Breadsticks
■レーズンとオレンジのスティックパン

レーズン酵母で発酵させ、グランマニエに漬けて柔らかくしたカレンズとオレンジの皮が入るので、芳醇。

歩きながら、運転しながらでも食べやすい細長い形状は、イタリアのグリッシーニからヒントを得たもの。朝食にクリームチーズを塗って食べるのもおすすめとか。

☆アメリカのサンドウィッチのトレンド

このようなスティックタイプのパンの他、ミニチュアのチャバタ、四角いフォカッチャなどユニークな形状のパンで作るサンドウィッチが流行中です。形以外のトレンドは、プロシュートやチーズを挟んで表面をグリルしたパニーニなどホットサンド。


Raisin “Dutch Crunch” Rolls
■レーズン入りダッチブレッド

ソフトでリッチなレーズンロール。

ダッチクランチと呼ばれる米粉を主体としたトッピングにはイーストも入っています。それが発酵によって膨らみ、模様になります。
カリっとこうばしいクラストが楽しめます。

イチジクのパンと焼き菓子

*イチジクの表記に関して・・・バレーフィッググロワーズ社製品を使っているので、パンの名前に使われるときは「フィッグ」とします。


Fig Studded English Muffins
■フィッグ入りイングリッシュマフィン

低温で12時間発酵させることにより風味が増す生地です。コーンミールの他に小麦粉も敷いた天板で発酵をとると、田舎風の外観になります。伝統的なものは鉄板で返しながら焼きますが、これはオーブンの下火を強めにして途中でひっくり返します。
カットはフォークで側面をざくざくと刺すやり方で。ずっと美味しくなります。

Fig & Flaxseed Multigrain Bread
■フィッグと亜麻仁のマルチグレインブレッド

最近注目の高まるフラックスシード(亜麻仁)を使ったホールグレインのパンで、全粒粉の発酵生地を使って作ります。他にひまわりの種、粗挽きのライ麦、胡麻、オーツ麦など、健康に良いだけでなくフレーバーも楽しめるものがたくさん入ります。

Fig and Orange Tart
with Cinnamon Crust
■フィッグとオレンジ入りのシナモンタルト

4~5日持つパン屋さんの焼き菓子。クルミの粉末の入ったこうばしいタルト生地にはマジパンで作ったフランジパンを敷き、イチジクのフィリングをのせます。
格子状の生地は専用の抜き型を使うと簡単。
クルミのパンと焼き菓子、イチジクとクルミとレーズンのコンビネーション→
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