本日は寄居方面から日高方面に向かう。目的のうどんは農林61号100パーセントうどん。訪問日は中休みが有るのか無いのか電話で確認して向かう。天気も良くて早春の風も気持ちが良いのだが,花粉症も心配なので窓は閉めていく。のんびりとしたドライブ日和なのだ。埼玉北部エリアはうどんを趣味にしている人々にはチベットなとど呼ばれている。時々はこのエリアを大勢でうどん屋めぐりなどする企画もあるようだ。つい先日もこの近くの『福和打ち』なるうどん屋さんに出現したらしい。
つい最近看板ができたという手打ちうどん『ごん兵衛』は2001年4月の開店。暫くは看板の無いうどん屋さんだった。暖簾は有ったけど・・・
大工さんのご主人が建てたという建物は和風のこぢんまりした作り。テーブル2つにカウンターのお店は広いとはいえないが女将さん一人で切り盛りするのにはちょうど良い広さ。目の届く範囲で仕事が出来るのは強みだ。ご近所の常連さんもついていろいろなリクエストに応えてメニューも増えてきたらしい。
うどん屋さんをはじめたきっかけがなかなか面白いので紹介しよう。昨年区切りの良い歳を迎えて思ったそうである「このままお茶を飲みながら歳をとっていくのかしら」そう思ったら何か感じるところがあって一念発起、昔から食べているうどんが頭をよぎったそうである。「だんだん昔のうどんの味が楽しめなくなってきた。ここは一つ自分で作って売り出してみよう」脱サラではなくて脱主婦のようである。そうしてご主人の協力の下うどん屋開店の運びとなったわけである。まことに羨ましい夫婦愛。一人で出来る限界もあるのだがうどんは前の日に捏ねて寝かしておいて朝延ばしてうどんにする。農林61号を数社の製粉業者の協力で通年確保している。農林61号100パーセントがこの地域の昔からのうどんの素性である。
色は蕎麦かと思うほど茶色い、素朴な食感はツルツルシコシコという感じではないのだが粉の風味と滋味が生きている。それでも注文ごとに茹で上げるうどんは滑らかで艶がある。『武蔵野の地のうどん』100パーセントが前面に出たうどんだ。
肉汁うどんがお薦めのようだ。濃い目の汁と豚肉の組み合わせはかなり古くから食べられていた関東のうどんメニューを代表するものだ。関東うどん、武蔵野うどんには欠かせないメニューとおもう。開店時にぜひメニューに加えるようにアドバイスしてくれた方がいたらしい。地粉手打ちうどんには欠かせないメニューだ。
注文したのはもちろん肉汁うどん。茹で上がるまでにちょっとした箸休めが出る。
サツマイモの甘露煮や漬物である。これがまた旨い。皿盛のうどんと肉汁にこの小鉢が付くと何となく幸せになる。
個性豊かなごん兵衛うどん、女将さん一人の肩にかかっているのだが、なかなかの逸品である。ぜひ地粉100パーセント農林61号を味わってみて欲しい。この粉がこのお店を盛り立てているのだろう。女将さんの人柄かいろいろな人が集まって盛り上げているようだ。居心地の良い店なのでついつい世間話などして長居してしまった。またこの地に来る楽しみが増えたわけである。
【DATA】
『ごん兵衛』
埼玉県日高市南平沢408
電話0429-89-2442
11:00~20:00 中休み有る時もあり
定休日 毎週木曜日
肉汁うどん550円・たぬき600円・もり500円・かけ500円・キムチうどん700円
サラダうどん700円・月見うどん600円