うどん/うどん関連情報

足踏みうどん『おじいちゃんち』(閉店)

残念ながら2004年末閉店しました。ふと立ち寄ったうどん屋さんはとても丁寧な仕事をしていた。『おじいちゃんち』のうどんは美味しいぞ。

執筆者:蓮見 壽


2004年末残念ながら閉店しました


さいたま市の大宮エリア、旧17号線、中山道に「おじいちゃんち」といううどん屋さんが有るのに気がついたのはつい1年ほど前だろうか。通る時はいつも朝だったり、夜遅かったりでなかなか入ってみる機会がなかった。何が気になっていたかといえば『足踏みうどん』のフレーズだ。『手打ちうどん』の肩書きは良く見かけるが足踏みうどんは珍しいぞ。実際美味い手打ちうどんの鍵は粉を捏ねる時の作業にかかっている。丁寧に手に力を込めてこねて鍛えるか。力の代りに体重を利用して踏んで鍛えるかなのだ。「手打ち」のことばは特に延ばしの時に麺台に打ち付けて延ばすことを指していると思うのだが・・・要は正直に言えば『足踏み』は正当なうどん作りの手法なのである。看板に足踏みと書くにはちょっと勇気がいることなのだと思う。食べるものを足で踏むという行為は一般的にはマイナスイメージを受けやすいからだ・・・

「おじいちゃんちの足踏みうどん」の看板は自信の表われではないだろうかと、思っていたのだ。

富士吉田の帰り道、渋滞を避けて前を通るとまだ開いていた。駐車場が無いので少し離れた場所に車を止めて訪問。お客さんが帰るところで店内にはおばさんがひとり。おじいちゃんは居なかった。まずは基本のもりうどん。500円を頼む。待つこと10数分、途中おばさんは「お待たせしてすみません」ともうしわけなさそうに言うが、何の何の茹でたてが食べられるのなら待ちますとも・・・

壁にいろいろメニューがさがってる。なにやら汁のうんちくもある。枕崎の鰹節、日高昆布の天然だし・・・なるほど。しばらくしてでてきたうどんは、淡く黄みを帯びてうどんは光っていた。弾力のあるもちもち麺、中心に強い粘りがあってあまり経験したことの無いうどんだ。
関東風とも違う、讃岐とも違うかな・・・おじいちゃんち風。かなりしっかりと鍛えられているうどんだとおもう。もちろん固くて食感の良くないというのとも違う、どちらかというとやさしさが有るのだ。つけ汁はいわゆるそばつゆ、辛汁系だが少し甘めでうどんに良くなじんでいる。その意味では関東風つゆなのだろうか。薬味は長ねぎと胡麻。美味しくいただく。



おばさんとお話すると胡麻だれもお薦めだとかで少し味見をさせていただく。胡麻の風味と少しピリッとした唐辛子、シソの香で食欲増進。このつゆはここのうどんには良く合いそうだ。暖かくなるときっともっと冴えた味になるだろう。すこし茹で置いたうどんでの試食だったが充分通用する美味しさだった。

店主のおじいちゃんにはお会いできなかったが、最近体力の衰えでうどん打ちは息子さんがされているとのこと。なかなか楽しみなお店だ。8年ほど前に開店して手を抜かないことを目標に納得したうどんを心がけているとのこと。地元でこういうお店に出会えて大変嬉しい。『藤店うどん』と『おじいちゃんち』は大宮のうどんレベルを引っ張り上げてくれるかもしれない。

ちょっと地元でないと行きにくいお店であるがどこか駐車場を見つけていただいてぜひ出かけてみて欲しい。

【DATA】
足踏みうどん おじいちゃんち(閉店)
埼玉県さいたま市東大成町1-544
電話048-668-3875
営業時間11:00-20:00
定休日 木曜日
主なメニュー
もりうどん 500円 天もり 900円 おじいちゃんうどん(生醤油うどん)400円
かけ 500円 たぬき600円 釜揚げ700円 天ぷら800円 など


もりうどん500円
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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