オレキス（白金高輪）(4ページ目)

ホスピタリティ

フルーツカクテルは大人の味わい

店内は意外に広い。6名までの個室、左手奥のやや区切られたスペースなど座る席によって見え方や感じ方が明らかに違うだろう。ひとつ気になったのは椅子。青山のランベリーの椅子もそうなのだが、大きな方が座ると横がちょっとキツイかも。

今日はサービスによって料理の味はグレードアップされたような気がする。春藤氏と特に何を親しく話したわけでもない。ころあいを見計らったように提供されるクオリティの高いワイン。高級ワインではないところが、また行ってみようかなという気にさせるのかも知れない。

透明な皿に当たるライトによって不思議な影が生まれる

料理とワインとそしてサービス、いや、これからはホスピタリティと言う言葉が相応しい。料理だけでもない、ホスピタリティだけでもない、それらが高いレベルで実現しつつあると言っていいのだろうか、オレキス。

ちなみにオレキスとはギリシャ語で「欲求」その先には「食欲」を意味する言葉だそうだ。そう考えるとフォアグラのテリーヌには何かしらのエロティシズムも感じたし、そのほかの料理の中にも皿から沸き立つ力があるものが多いと見ていい気がする。

帰りがけシェフとは少しだけ話をした。風貌から見ても実に尖っていて、いい感じ。客に媚びようなどとは考えないほうがいいし、我侭を通し素材と調理法を極めていくといい。一見完成された料理のように見えるが、実はまだそうではない気もする。としたらこれからどんな方向に進んでいくのだろうか。ガストロミーの世界は変化が必要だ。世の中の流れ、ゲストの嗜好、料理人としてのこだわり。それらをどう組み合わせてどう昇華していくのか楽しみである。

料理だけではないホスピタリティをじわっと感じた心地よい時間であった。

■オレキス
港区白金2-3-3カームコート白金高輪1F
地図
03-5918-8311
ランチ　：木～日12:00～14:00（LO）3,990円～3つのコース
ディナー：18:00～23:30（LO）　　 7,875円～3つのコース
メニュー・デギュスタシオン　　　 12,600円
いずれも税込サ10％別
月と第2火休

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