ラーメンには子供時代の記憶が宿る |
思い出のラーメン
ここからは番外編。ちょっと私的な話になるがお付き合いいただきたい。美瑛から旭川は思ったより近いので驚いた。そこから高速に乗ると私の実家がある砂川まで1時間もかからない距離だ。私が育った1970年代は大阪万博、札幌冬季オリンピックなどで全国が健全なバブルに踊っていた頃でもある。当時は人口は3万人くらいはいただろうか。しかし、ご多聞に漏れず駅前の銀座通りは閑散とし、札幌行きの電車のアナウンスが静かに響く典型的な過疎の町になってしまった。
そんな町でもふるさとはふるさと。『生まれた時に泣いてすぐ吸った空気が空っぽの肺に入り、その奥底にはその故郷の空気が死ぬまでの残っている』と聞いたことがある。故郷を思う気持ちはそんなところから来ているに違いない。
しかし。
実は砂川には世界的に有名な革製品を製造する「ソメスサドル」。そして今や押しも押されぬお菓子の殿堂「北菓楼」がでーんと構えているのである。
おばちゃん、いつまでも元気で! |
塩と醤油と味噌の3種類。化学調味料たっぷりのせいか一度食べると病み付きにはなる。旨いとかどうとかではなく、こうしたラーメンやさんの楽しい思い出がすべてだ。たまに帰った時に寄ると、「あの時に浦臼まで送っていった彼女は元気かねー」とか他のお客さんの前にとんでもないことを言われてしまう。もう25年も前の話がラーメンの肴になるのはほのかに嬉しいことでもある。
■まるともラーメン
TEL 0125-54-0157
北海道砂川市東一条北3-1-19
僕の三ツ星レストラン「やま鳥」のホルモン |
極上の味噌ダレ
夜はいつも小学校からの同級生タニパンのお母さんが経営する「やま鳥」へ行く。店名からして焼き鳥屋かと思われるかも知れないが、ホルモン焼屋さんだ。実はこのやま鳥、このまま東京に出店しても十分にやっていけるどころか、結構な人気店になる要素がある。その決定的な武器は「秘伝の味噌ダレ」にある。一皿480円の牛ホルモンは新鮮でいくら食べても食べ飽きることがない。その味噌ダレはゴマとにんにくの風紀のきつい個性的な味わい。この味はここでしか経験できない特別なものなのだ。行く前に電話をするが、ちょっといたずらして「予約をお願いしたいのですが」なんてかけると「あっ、ウチなんか予約してくるお客さんなんかいないから、かけ間違いっしょ、滝川に山鳥って店があるからそっちではないの?」と。ごめんなさい、もうしません。
左がやま鳥のおばちゃん |
■やま鳥
砂川市の柳通りの橋を渡って左側です。夜のみ営業、不定休。
次号では小樽にあるものすごいフレンチを紹介します。
*北海道に関する情報はオールアバウト北海道ガイドの小西由希さんのサイトをぜひご覧いただきたい。