アク取りを忘れずに
さて、次はいよいよ肉を焼きましょう。常温は人肌温度に近いくらいに |
まずはフライパンを火にかけて油を引く。冷蔵庫から出したお肉を強火で焼く。じゅーっと音がして焦げないように焼いて塩コショーとか何かしらのソースで味付けをする。
私もかつてはこうしていましたが、はい、この工程がすべて間違いなのです。
ええーっって感じだったんですが、ではどうしたらいいか。
単に全部逆にやってみればいいのですよ。
冷たいフライパンに油を引き、冷蔵庫から出してしばらく置いておいたお肉(常温にもどすとぶにょぶにょしてきます)をフライパンにのせてから火をつけて弱火で焼く。。。
あとですね、しゃぶしゃぶ食べるときには必ずアクを取っていますよね。では肉を焼いているときにアク取っています?肉は火を通すと必ずアクが出るものなのです。あのちょっと汚れたアクを私たちは気づかずにたっぷりと食べてしまっているわけです。
またよくこういうことを聞きます。「強火で肉を焼き上げ、旨みを中に閉じ込める」
はい、アクを全部閉じ込めて旨いわけがないのです。
さて。
こんがりとした焼き色が付きます。 |
常温に戻すと、白いパックの端っこに肉から出た水がたまります。これがアクなのです。肉に火を入れると必ずアクが出ます。これは必ず取らなくてはいけません。
次に冷たいフライパンにバターとオリーブオイルを引き、そこに肉を乗せます。ゆっくりと中弱火で焼き上げていきます。5分くらいすると肉から水が出てきます。それもアクですね。キッチンペーパーでささっと吸い取ります。アク取りはこれで終わり。そのあと出てくるのがいわゆる「旨み」ってヤツです。
弱火だと時間がかかります。しかし、決して強火にしてはいけません。肉の表面が温かくなったところでそーっと裏返しにします。
すると。
予想以上に簡単です |
さて、ここから簡単なソース作りです。
格子切り、つまり正方形に同じ大きさにきった玉葱とニンニク、バターと白ワイン、塩を加え小さめの鍋でゆっくり火を入れます。そこに肉のフライパンに残った肉汁を加えるだけ。これを盛り付けたお肉にすーっとかけます。
ローズマリーで風味をつけてもGood。 |
物事の本質はいつも隠れています。料理もそう。賢明な読者の皆様はぜひ肉をぜひ焼いてみていただきたいと思います。鳥でも豚でも羊でも鹿でも焼き方は同じなんです。アクを取り、弱火でゆっくりと焼き上げる。本質的なシンプルなルールを覚えた先には、レストランで楽しむ肉料理もちょっと違った角度から見えるかもしれません。
最後に。
プリフィクスのコースを頼んだとき。前菜を食べ終わった頃に「すいません、さっき頼んだ肉料理の羊を鴨に変えてもらえませんか?」と言ったら。
今回の料理教室参加者の皆様 |
「節約やりくりガイド」の和田由貴さんの記事はこちら
ちょっとしたブログでも紹介されることが多いですね。
「今日からおいしくなる洋食のシンプルルール」
オールアバウト『男の料理』ガイドの土屋さんの記事はこちら。