フレンチ/東京のビストロ

【閉店】りんごの絆(四谷三丁目)(2ページ目)

誠実な料理とマダムの自然体なサービスが心地良い時間を創り出す。何度でも通いたくなる四谷フレンチのホームグラウンドというべき「りんごの絆」。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

鴨
ソースのバランス加減が噛み応えある鴨肉にジャストミート

マダムの心のこもったもてなしに

しかし、このレストランの特徴は何?と聞かれると「マダムとその娘さんの心のこもったサービス」だろう。グランメゾンの洗練されたプロフェッショナルサービスとかではなく、ワインについて知らないことを尋ねたらすぐにシェフに確認に行くとか、セラーの中を案内してシェフのワインに対する思い入れを代弁して話してくれるとか、オーダーを取りに来るときのちょっとした一言とか。

私はそういう丁寧で、気持ちのこもったサービスが大好きだ。もし仮に料理が平凡だったとしても、暖かなもてなしの言葉があればもう一度来たいと思うだろう。いや、これまでもそうだったからだ。

聞くとプロとしてレストランに従事したことはないと言う。しかしセンスは申し分がない。団体客で混雑していたときでも一見客かもしれない私達への気遣いはとても優しかった。りんごの絆には常連客が自分の家のダイニング、ちょっとお洒落で可愛らしい、そんな居心地の良いところと思って通い続けているに違いない。

ワイン
ワインリストを見るよりセラーの中で選びたい
しかし、単に気持ちの和むサービスのフレンチだけではない。ワイン庫には珠玉のブルゴーニュワインが所狭しと並び、ワイン好きにはたまらない空間が用意されている。特にドメーヌ・デュジャックのコレクションは見事で、80年代のグランクリュは懐に余裕があればぜひ味わいところだ。

この日は10名位で女性同士のグループの食事会が開催されていた。その隣のテーブルで食事をしていたのだが、その品の良い賑やかさのおかげで私たちの食事の時間も盛り上がり、気がつくとワインは飲み干し、お腹は超満腹。「その日は団体のお客様で、くつろいでお食事していただくにはどうかと思うのですが。。。」という予約時のマダムの心配は杞憂に終わったのだった。

りんごの絆
新宿区荒木町7-3
TEL 03-3350-3773
OPEN : 18:00
CLOSE :23:00
ランチはやっていません。
定休日:日曜日・第3月曜日

地図
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