四谷
半地下になっている厨房は外から垣間見ることができる

四谷の路地裏に

四谷三丁目からほど近い荒木町は小さいながら個性的な飲食店が軒を連ねる。鰻屋、寿司屋、天ぷら屋、焼き鳥屋といった屋が似合う伝統的な和食店に加えて最近はジンギスカン屋も人気だ。狭い路地に並ぶ小さな飲食店の中にチェーン店がほとんどないのがとてもいい雰囲気を醸し出しているのかも知れない。

今回ご紹介するフランス料理店「りんごの絆」は賑やかな車力門通りのちょうど真ん中あたり、通りに一瞬の静寂さを感じる荒木公園の前に佇む。半地下になっている作りだが、通りからは厨房で格闘するシェフの姿が垣間見ることができる。

以前車力門通りをぶらぶら散歩していたときにこのレストランを知り、ショップカードをいただきに寄ったことがあった。マダムの対応はとても優しく、私はこの一瞬、いや数十秒でこのレストランはとても居心地のいいところに違いないと確信を持った。レストランはそこで働く人の表情でわかるものだ。近いうちにぜひ食事に行こうと思って店を出た。実はその瞬間から食事の時間はスタートしていたのかも知れない。

四谷三丁目
どの皿も丁寧に仕上げられ、心地良い余韻の長さを楽しめる
特に高級食材を使った特徴がある料理が並ぶわけではない。しかし軽くスモークされたサーモンの香りは香ばしく、味わいの余韻は心地良く長い。丁寧に時間をかけて仕上げられたさり気ない一品だ。鴨のロースは甘みと酸味と苦味のバランスの取れた味わいのソースと絡み合いこれも余韻の長さをしっかりと堪能できる。ランチは営業していないのでその分丁寧な仕込みができているに違いない。