PS3の優位に立ち、Wiiと差別化するXbox360の戦略
北米では着々とWiiやPS3と差別化していく戦略が進められていると言えるでしょう |
同じ頃、映画やテレビの配信も開始、そして2007年4月に大容量HDDやHDMI端子を搭載したエリートが発売されるわけです。多角的に、そして周到に質の高い映像エンターテイメントを提供する為の準備を行っているという印象です。
PS3と比べ、機能的にはHDDこそ60GBに対し120GBと勝るものの、PS3が次世代DVDのBlu-rayDiscを標準搭載している分大差ある印象はありません。映像配信は現時点でもPS3だって機能的には可能です。しかし、サービスの仕組みや、そのサービスを使うユーザーを着実に獲得してきた全体の戦略の流れでは、Xbox360がかなり優位に立っている状況があるのではないでしょうか。
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PS3はPlaystationHomeという映像配信も含むオンライン上の包括的なサービスを発表していますが、これは2007年4月にβテストを開始し、秋に本格的なサービス開始という状況ですから、タイミング的には大分遅れを取る格好となりました。
また、この高価格、高品質のサービス展開から、Wiiと明確な差別化をする姿勢を見て取ることができます。Wiiは2007年4月中にインターネットチャンネルの正式版を配信する予定しています。他にもお天気やニュースなど、無料で簡単に楽しめるサービスを充実させています。一方、これだけオンラインのサービスが充実しているXbox360に、まだインターネットを閲覧する為のWebブラウザがありません。これは、Xbox360のオンラインサービス展開における優先順位を示しています。
エリートを発表することによって、低価格でお手軽なサービスを展開するWiiに対し、高価格で高品質のエンターテイメントを提供するというXbox360の方向性をより明確に打ち出した形になったのです。
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実に周到にマルチメディア映像エンターテイメントを展開しているように見えるXbox360ですが、1つ残念なことがあります。それは、エリートの発売が日本未定であるということです。先ほどご紹介した映画やテレビの配信サービスも日本では行われていませんし、120GBものHDDがあってももてあますユーザーが多いとも思われます。
ニンテンドーDSやWiiで低価格で手軽なゲームが大人気の日本では高価格で高品質という方向自体どこまで受け入れられるかも疑問です。北米を中心に組み立てられたXbox360の戦略をどうローカライズしてくるか、これからの動きに注目したいと思います。
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