ジョギング・マラソン/健康とジョギング・マラソン

漢方の「未病」理論でマラソンレース対策(2ページ目)

中医学や漢方の「未病」を治す「治未病」の考え方をマラソンに応用すると、疲労や消耗を減らすことができます。日ごろの生活上でも何かとお役に立ちます。

谷中 博史

執筆者:谷中 博史

ジョギング・マラソンガイド

マラソンは不健康なスポーツだと自覚して

漢方薬というのはある意味、サプリメントのようなところがある。これは生薬を処方によって混ぜ合わせているところ。煎じて飲むのだが面倒だ。基本的な処方は飲みやすい錠剤や顆粒の剤形で販売されている
漢方薬というのはある意味、サプリメントのようなところがある。これは生薬を処方によって混ぜ合わせているところ。煎じて飲むのだが面倒だ。基本的な処方は飲みやすい錠剤や顆粒の剤形で販売されている
さて、いよいよマラソンへの治未病の応用です。

フルマラソンというのは、私は健康的なスポーツだとは思っていません。42.195kmの長い距離を一挙に走ることは、人間の体にとって合理的な行為とは思えないのです。フルマラソンの距離でなくても夏の暑いときに走るなんていうことも同様です。

人間の体は人類出現以来長い時間をかけて、一日のうちに適度に体を動かすようにしていると良い体調を維持できるように進化してきました。人間の健康にとって大事な要素は「食事・運動・休養」ですが、ここでいう運動とは歩きで1日1万歩ほど。ランニングならゆっくり5km~10kmというところでしょう。

人間の体に合っていないことをするものですから、42kmもの長さを走るとくたくた、へとへとです。ウルトラマラソンとか長時間のトレイルランニングを行った後に血液検査をすると「病気」といってよいレベルの数値になっています。すなわち急性の病気になっているのです。

走り始めは健康体、しかし中間点に達する頃には体調がおかしくなりはじめる未病状態にさしかかり、未病なのだからそこでやめておけばいいのにさらにそのまま病気に向かってまっしぐら、というわけです。

健康度、元気度を高めておく

では、病気の状態にならないようにするためにはどうしたらよいのか? 棄権するわけにはいかないでしょう。となれば治未病です。

まず、走り始める前から、このレースを走ったら体が病気状態になるということが分かっているのですから、予想される疲労を重ね消耗をしてもまだ健康が保てるように元気度、健康度を高めておくことです。

その準備はレース直前では間に合いません。数週間前からの準備が必要です。風邪などひいたり酒の飲み過ぎ、睡眠不足などで健康度を下げてしまうようなことはもっての他です。さらに走りながらも、先手先手と給水、給食で疲労、消耗の進行を極力減らすように努めることです。
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