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オーバープロネーション克服で走りを長続き(2ページ目)

オーバープロネーションという言葉を目や耳にしたことがあると思います。走りに慣れてくるほどにこれが問題に。ランナーの過半にその傾向があるというオーバープロネーション対策は、自分の着地の認識からです。

谷中 博史

執筆者:谷中 博史

ジョギング・マラソンガイド

オーバープロネーションは直すべき?

ほれぼれするフォームで計測中のランナーは、北京オリンピック金メダリストのコンスタンティナ・ディナ選手。アシックスストア原宿店に設置される「DYNAMIC FOOT ID」のプレス公開日でモデルを務めてくれた
ほれぼれするフォームで計測中のランナーは、北京オリンピック金メダリストのコンスタンティナ・ディナ選手。アシックスストア原宿店に設置される「DYNAMIC FOOT ID」のプレス公開日でモデルを務めてくれた
では、オーバープロネーションやアンダープロネーションのままでよいのでしょうか? おそらく、週に数回5~10kmをゆっくり走る程度のランニングでしたら、すぐに足の故障につながると言うこともないと思います。

マラソンを3時間20~30分で走るランナーから、「ひどいオーバープロネーションなのだがシューズを推薦して欲しい」との質問がありました。とりあえずオーバープロネーション着地対策を施したシューズをトレーニング用からレース用まで何点か紹介しましたが、いつまでも走り続けたいとか、さらに記録を伸ばしたいならオーバープロネーションの矯正もおこなう必要があると回答しました。

スピードが出るようになったり長い時間走り続けるようになると、足首への負担はたいそう大きくなります。足首だけでなく、それが膝、腰の故障にもつながってくるのです。

左右非対称の原因も考えよう

ガイドの分析データシート。オレンジとブルーの帯がプロネーション傾向を示す。上の青いタブ(右足)はニュートラルだが、下のオレンジのタブ(左足)はニュートラルとオーバーの境界上
ガイドの分析データシート。オレンジとブルーの帯がプロネーション傾向を示す。上の青いタブ(右足)はニュートラルだが、下のオレンジのタブ(左足)はニュートラルとオーバーの境界上
オーバープロネーションの方は、どちらかというとO脚気味です。直立時にはO脚ではなくても着地時には膝が開いてO脚のようになります。特に車道の右車線(歩道ならば左)の路肩(右下がり)を走ると、右足にその傾向が強まります。左下がりの左車線を走れば左脚がO脚になり、オーバープロネーション着地になります。

左右非対称で、片足だけプロネーション傾向が強いランナーがけっこういますが、いつも走っているコースの影響もあるだろうと思います。いつも同一方向に周回しているトラック出身(陸上部出身)ランナーにもそうした傾向が見られることがあります。

オーバープロネーション対策シューズ卒業へ

最近は、オーバープロネーションをサポートしてくれるタイプ(内側に硬めの素材を入れて内側への倒れ込みを妨げることによってオーバープロネーションを防ぐ)のシューズが増えてきましたが、いずれもジョギングタイプです。

スピードが出るようになり中級者も卒業する頃になると、シューズも軽量タイプを選ぶようになりますが、そうしたタイプのレーシングシューズは余計なサポート装置を取り去っています。オーバープロネーションのままでは履くシューズがない(ジョギングタイプでは記録も出ない)、無理してレーシングシューズを使えば故障を起こす、ということなのです。

自分はどんな着地をしているのか?

ディタ選手の着地。まったく左右への倒れ込みがない見事な着地
ディタ選手の着地。まったく左右への倒れ込みがない見事な着地
これがわかるようでわかりにくいのです。ガイド自身も故障以降は着地をニュートラルにするように気をつけてきたので、ニュートラルだと思っていたんですが、実際には左脚がややオーバープロネーションでした。左脚をニュートラルに着地すると、自分の感覚としてはアンダーに着地しているのではないかと感じてしまいます。実際と感覚の間のズレがあるためになかなか着地が直りません。

ガイドは故障経験があるせいで、そのズレについて気にしていますが、ほとんどの方は気にもせず日々走っていると思います。

着地を分析するにはどうしたらよいのか?

ひとつは自分の感覚です。足のどこで着地し、どこで離地しているのか、神経を足裏に集中すればおおよそはわかります。もうひとつは、アウトソールの減り具合です。着地部分の減りが早いわけですから、ソールの減り具合を見ればかなりわかります。

しかし、実際にどのように足首が曲がっているのか、回旋しているのかを見ればさらに強く実感されるでしょう。それには後方の低い位置からのビデオ撮影がいいですが、一般的には撮影しにくいアングルです。ハイスピードカメラとまではいかなくても、分解写真のようなショットが撮れるビデオカメラが必要です。一般的な30ps(1秒30コマのテレビ動画モード)では、画像を止めてみると動きがある部分は被写体ブレがあってよくわかりません。
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