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2009富士登山競走、完走トレーニング法(3ページ目)

2009富士登山競走まで残り1ヶ月余り。応募者が増えて参加するのも難しくなった人気大会ですが、歴史もあります。日本一の山に登ってこそ「ヤッター!」と叫べるのでは? その完走法を再びご紹介します。

谷中 博史

執筆者:谷中 博史

ジョギング・マラソンガイド

腕が物をいう7~8合目

手も使いただただ前進あるのみ。腕力、握力を鍛えておこう
手も使いただただ前進あるのみ。腕力、握力を鍛えておこう
7合目あたりからは溶岩地帯になります。砂礫ではなく溶岩をよじ登るコースです。この溶岩地帯の通過が第3のポイント。

必要とされるのは、岩場をこなす慣れや装備とルートファインディング。まず岩登りですが、手を使うことで、ずっと速く楽に上がれます。登れる者は岩も鎖をもつかむということで、大いに手がかりを利用しましょう。

傾斜が急な箇所は3点確保(常に4本の手足のうちの3本が岩をとらえて体を確保している)の基本で登ります。この際、次にどこに手を伸ばすか、脚を置くかという先読みを続けていることが必要です。行動を中断して考えていては遅れをとります。慣れてくると無意識のうちに手足が伸びるので、未経験の人はハイキングコースにある鎖場でもよいので、鎖に頼らずに登る経験をしておくとよいでしょう。

引っ張る力を鍛えよう

岩や鎖を手につかみ、バランスをとったりする時には体を引き上げるので、腕力、握力等上半身の力も鍛えておく必要があります。押す力よりも引き寄せる力が重要。鉄棒があれば懸垂運動が握力も鍛えられて簡単なのですが、なければベンチにうつぶせになりダンベルを持ち上げたり、チューブを引くというような動きになります。棒登りやロープ登りもよいでしょう。私の場合、児童公園のジャングルジムにぶら下がって懸垂をしています。

岩にくいつきのよいソールのシューズ

単なる「トレイルランニング向け」ではなく「トレイルランニングレース」にターゲットを絞ったアシックスの「GEKFUJI」。摩擦に強い人工皮革素材で爪先部を補強するなど、富士登山競走、富士登山駅伝を視野においている。\13,440
単なる「トレイルランニング向け」ではなく「トレイルランニングレース」にターゲットを絞ったアシックス「GEKFUJI」。摩擦に強い人工皮革素材で爪先部を補強するなど、富士登山競走、富士登山駅伝を視野においている。\13,440
こうした岩場に向いたシューズは岩への食いつきがよい、ゴム底で屈曲性のあるタイプです。トレランタイプよりマラソンタイプのほうが楽。ただ、礫の通過には、そこそこソールが硬めのほうが良いという相反した機能が求められるので難しいところです。私は、マラソンのレース用シューズで古くなったのを使っていますが、アシックスから出た「山のターサー」と異名をとるゲル富士などが、ちょうどバランスがとれたタイプのようです。でも、新品はもったいなくて履いていけませんが……。

大局的にルートを見極める溶岩地帯

もうひとつ、岩場の通過に大事なことはルートファインディング。この部分はコース幅が広がるので、岩場を登れさえすれば大量にランナーを抜けます。一般的にランナーは前のランナーを追随するくせがあるよう。よく通過するコースというのがあって、そこは渋滞するのですが、周囲には傾斜が急で岩っぽい空きがあるはず。そこを選びます。

事前練習で富士山に登る人もいると思いますが、楽なルート、一般的なランナーが選びそうなルートではなく、ちょっと外れたルートを登る練習もしておくとよいでしょう。

このように前のランナーを追随せずに走る場合、気をつけなければいけないことがあります。それは、どのようなルートなのか頭に入れておくことです。岩ばかり見つめて進んでいると、方向を間違ってしまうことがあります。

深い呼吸と水を忘れずに

岩場を過ぎて8合目に達すると再び礫の斜面。あとは頑張るのみ、ではありますが、忘れていけないのは深い呼吸と給水。酸素が薄いですからよ~く吐いてよ~く吸いましょう。

水分不足も高所障害を発生する原因の一つになります。山小屋で提供してくれますから、ありがたく頂戴してください。さぁ、鳥居をくぐれば、そこにはゴールに続く最後の階段が……。
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