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ジャーニーランは「自分探しの旅」(2ページ目)

フルマラソン完走者にも想像できない、100kmウルトラマラソンの世界。その100kmにも飽きたらず、もっと走りを長く楽しみたいというランナーたちのジャーニーランとは。

谷中 博史

執筆者:谷中 博史

ジョギング・マラソンガイド

100kmウルトラで数々の入賞後、トランスエゾ553kmに出場

北海道を縦断往復するトランスエゾを完走
北海道を縦断往復するトランスエゾを完走
「タイムが伸びなくなって、スピードを出すのが辛くなった。スピードを出さなくていいウルトラならどうかなと思って走ってみたら、若い連中にも負けなかった。長く走ることへの適性もあったと思うけど、走るのが好きだったんだね。次第にゼイゼイいいながら走るのが嫌で、楽しみながら長く走りたい、もっと長く楽しみたいというようになったんです」

1995年53歳で秋田内陸100kmに出場したのを手始めに、ウルトラマラソン関係では秋田内陸100kmに3回、サロマ100kmに4回(2000年には9時間18分14 秒で部門2位、2001年に9時間25分18秒で部門優勝)、八ヶ岳野辺山100kmに3回、富士五湖117kmに1回、日本山岳耐久レースに6回(2003年に12時間58分20秒で部門優勝)出場してきました。

「この間、北海道マラソンも7~8回走っているんです。そのときに北海道の自然の一部に触れて、こんな大自然の中を一週間も走り続けて楽しめるなんて素晴らしいに違いない、と思って出たのがトランスエゾ553kmです」

ジャーニーランの魅力を知る

トランスエゾとは、北海道の南端襟裳岬と北端の宗谷岬を結ぶトランスエゾ北海道縦断遠足ジャーニーランのこと。北上と南下の両片道部門、そして往復の3部門があります。レースではなく順位表彰はしませんが時速5.5kmを限度とした制限時間があります。

さらにユニークなのは、荷物運びやコース誘導のサポートがなく、すべてランナーは自己責任で参加しなければならないと言うこと。世話人はいるが主催者はいない、大会の主催者は参加者一人一人というわけです。

「一週間毎日同じ仲間と生活を共にするわけです。各地の名物を食べたり、土地の人と話をしながら走るんです。差し入れもずいぶんいただきました。おかげで全国に友達ができました」

この大会に参加することになったきっかけも、いかにもウルトラっぽい話です。

「ウルトラマラソン練習で遠くまで走りに出た山の中で、偶然トランスエゾの企画者に出会って参加を勧められたんです」

ジャーニーランは「自分探しの旅」

制限時間があるとはいうものの、順位はなし、好きだから走るランナーが自主運営するようなイベント。走る楽しさをとことん味わえる旅行。青木さんはジャーニーランが大いに気に入りました。ジャーニーランは、旅先の文化や人とふれあい、また仲間と楽しく走る「自分探しの旅」です。

東京湾一周180kmを3日で走る大会、新潟までの190kmを寝ずに走る日本横断ラン、2007年には14日をかけたトランスエゾ往復1089kmも完走しました。2008年9月には佐渡島一周48時間206kmへの参加を決め、トレーニングの準備に入ったところです。

では、こんな超ウルトラランをするためには、どんな練習をしたり準備が必要なのでしょうか聞いてみました。
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