フルマラソンを走らなくてもタイムは推定できる
サブスリーを目指し、ゴールを目指す |
市民ランナーでも、相当遅く(45歳くらい以降)にランニングを始めた人にはサブスリーの達成はちょっと難しいかもしれませんが、40歳くらいからでしたら十分に実現の可能性があると思います。一方、長らく走っているのになかなかサブスリーが達成できないという人もいます。特に、5km、10kmのレースならサブスリーランナーにも負けないのに、フルマラソンとなると負けてしまうというケース。
いったい5km、10km、ハーフをどのくらいのタイムで走れればフルマラソンでサブスリー達成が可能なのか。フルマラソン経験がないがフルマラソンを走ったらどのくらいのタイムで走れるものか……。これがわかれば、自分に秘められた潜在能力も知ることができます。
フルマラソンにおけるタイムはコースや天候に大きく影響されますから、条件が揃っている場合にどのくらいタイムが出せるのかは、フルマラソンを走った経験がある人でもわかりにくいのです。
この所要タイムを算出するためにこれまで、さまざまな数式が発表されてきました。比較的単純ながらまずまず妥当だなと思っている数式は、ハーフ×2+10分 というものです。うまく走ると+10分が+7分ぐらいになります。ただし、サブスリーの前後のランナーが対象です。
誤差が出るのも、ランナーには長距離型と中距離型がいるからです。後述しますが、長距離型の5000mのタイムと中距離型の5000mのタイムを、同じ係数倍してフルマラソンのタイムを推定するのは無謀です。ポーラ・ラドクリフ選手と野口みずき選手の5000mのタイム差は1分9秒ありますが、フルマラソンのタイム差は1分30秒しかありません。もちろん同一レースの比較ではないので単純には比較できませんが、そういう傾向は理解できると思います。