驚異の市民ランナー、平沢直樹さん
平沢直樹さん(所属クラブ:のり子大好き)。今年は失敗してしまった東京マラソンスタート地点で、次回への決意を新たにする。なお、「のり子大好き」は平沢さんのクラブ名。奥さまの名前でもある |
そんな目標を実現している市民ランナーは、私にとってエリートランナーよりも羨望の的です。60歳になってもサブスリーとか、フルマラソン完走200回とか……。今回は、そうした驚異的市民ランナーと私が目して止まない方の中で一番の若手、平沢直樹さんをインタビューしました。
私は、「アスリートは体作りが勝負。体作りは運動と食品が双輪で、トレーニングに力を入れるのと同じくらい食品の取り方が重要だ」と今まで論じてきましたが、平沢さんは独力で食品の重要性を認識され、生活に生かし、驚異的な足跡を残しています。
平沢さんが初フルマラソンを走ったのは1993年3月。高校3年生の時にロサンゼルスマラソンを3時間11分29秒で走りました。この時彼は、陸上部にも所属せず、高校1年生からの1年余の陸上部体験で学んだトレーニングを参考に、自分なりに考えたトレーニングをして参加したそうです。まさに、高校生の時から「市民ランナー」だったといえるでしょう。
重賞?レースにも2週連続出場
2001年に渡瀬遊水地マラソンでフルマラソン初優勝を遂げる |
1993年 2回 2時間51分54秒 ホノルルマラソン 年代の部3位
1994年 6回 2時間34分55秒 メルボルンマラソン ジュニアの部1位
1995年 2回 2時間31分44秒 パリマラソン 20歳以下1位
1996年 3回 2時間48分27秒 ボストンマラソン
1999年 3回 2時間38分22秒 田沢湖マラソン 4位
2000年 3回 2時間34分07秒 つくばマラソン
2001年 6回 2時間29分49秒 つくばマラソン 4位
2002年 12回 2時間28分35秒 シカゴマラソン 77位
2003年 14回 2時間27分16秒 つくばマラソン 優勝
2004年 15回 2時間21分42秒 びわ湖毎日マラソン 60位
2005年 11回 2時間27分42秒 東京・荒川市民マラソン 6位
2006年 15回 2時間25分47秒 びわ湖毎日マラソン 37位
2007年 6回 2時間27分26秒 勝田全国マラソン 3位(4月末まで)
平沢さんは社会人になってから生活スタイルが大きく変わり、一時ランニングを離れたときもありましたが、次第に出場数が増え、2002年以降の月間出場回数は1.14回にもなります。夏は大会も減るので、シーズンの秋~春でみると、2週連続出場も珍しくなく、パリ~ボストン~掛川と3週連続出場をしたり、中1日(東京国際の2日後に勝田)や中2日(大田原の3日後につくば)で走ったりということもあります。こうした記録は、平沢さんのホームページに克明に記録されているので、直接ご覧になることをおすすめします。
マラソンの出場回数ならもっとすごい人がいるよ、とおっしゃる方もいるでしょう。確かにそれはそれで素晴らしいのですが、私が平沢さんを驚異的だと思うのは、その内容です。出場レースの中には、東京国際やびわ湖毎日といった日本ではSGレースといえる出場資格の厳しい大会が含まれていて、しかも連続出場もたびたびなのです。私にとってこのスタミナが一つの興味です。そしてもうひとつの興味は……。
故障せずに出場を続けられるのはなぜ?
2002年渡瀬遊水地マラソンを2連覇。記録証に記された10kmごとのラップは、37:08-36:06-37:38-36:13-08:46と安定している |
スタミナがついて、故障しないノウハウは、我々凡ランナーがマラソンを走る上で、最も参考になる情報でしょう。平沢さんは特別な人間なのか……、インタビューの始まりです。