トレイルランの装備 1
■寒さ対策標高が100m上がると気温は0.6度下がるといわれます。標高1000mの山では、気温が6度下がるわけです。さらに風速1mあたり、体温を奪われるために体感温度が1度下がるとされます。ランナーの場合、ハイカーよりも大汗をかき、薄着です。気化熱を奪われるので風が吹くとたいへん寒く感じます。この風を遮る用意をしておくことが一番でしょう。夏でも長袖のウインドブレーカー上下を持ちましょう。雨具を兼ねられる防水タイプがおすすめです。
身体が芯から冷えるといくら着込んでもなかなか身体が温まりません。身体を中から簡単に温めるには、寒気がするときの漢方薬「葛根湯」がおすすめです(ドーピング対象の麻黄が含まれていますから、エリートランナーは注意)。1・2包をいざというときのために用意しておきましょう。
■腹ぺこ対策
トレイルランでは、ハイキングのように盛大な昼食を行いません。一度に食べ過ぎると身体の動きを一時的に妨げてしまうからです。一口大のおにぎりをいくつも持っていったり、大福・どら焼き・高カロリー食品などを主食とし、30~60分ごとに飴などでエネルギー補充を行います。レースでは、ブドウ糖のタブレットや蜂蜜などを使ったりもします。行動中に食べる分と非常食として2食分を持ちましょう。いわゆるシャリ切れ(エネルギー切れ)になって食べるものがないという飢餓の状況も実に苦しいものです。
■水分
ハイドレーションシステムはトレイルランにおすすめ。こんなパックに水を詰め |
パックをザックの内ポケットにセット |
どのくらいの量が必要なのか、これもその時のプランと気温などで大きな差があります。余裕を持っていきましょう。山でのどが渇きながら水がないというのは、一気にパフォーマンスが下がりたいへん苦しい思いをすることになります(脱水症状にでもなれば命にかかわります)。途中確実に水が確保できることがわかっているコースでない限り(地図に「水場」と記されていても渇水期には水がない、なんていうこともある)、持参する水の量には余裕を持ってください。
持参の方法ですが、ペットボトルより、背中のパックから管で飲むハイドレーションシステムが便利。ペットボトルは、中身が減ってくると中で水が踊ってしまいますし、いつまでもがさばる容器を背負わなければなりません。ハイドレーションシステムでなければ、スポーツゼリードリンクに使用されているようなパッケージ入りのドリンクが便利です。
■着替えのTシャツ
トレイルランが終わった後の着替え用に、長袖のTシャツを1枚防水パックして持っていきます。これはいざというときには防寒ウエアとして着込めます。
■手ぬぐい・バンダナ・三角巾
てぬぐい・バンダナ・三角巾。どれでもいいのですが、行動後はタオル代わり、行動中は包帯と考え一つ用意します。ちなみに、タオルなどがさばるものは持ちません。行動後に身体を拭く時のタオルは、着ていたTシャツを使います(もちろん汗をゆすいで)。
■携帯電話
尾根筋のハイキングコースならば、かなりのエリアで受信が可能になっているよう。いざというときのために持参しましょう。電波状態が悪いと電力を浪費しますから、よく充電して持参します。
■テーピング用テープ・バンドエイド
トレイルランは、舗装路やトラックを走るのよりずっとケガの危険性が高まります。その中で多いのが、転倒・ねんざ・マメでしょう。テーピング用テープがあると、ねんざをしたとき簡単に応急手当ができます。