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匠の技と遭遇!本間ゴルフ酒田工場へ1(4ページ目)

製販一体と、工芸品のような高価なゴルフクラブで、業界で異彩を放つメーカー、本間ゴルフ。そんな特徴あるスタイルの中心的な役割を担っている山形県酒田工場を取材しました。

児山 和弘

執筆者:児山 和弘

ゴルフガイド

ほとんどが手作業の工程

カーボンシャフトに、サンドペーパーがけを行っているところ。丁寧な手作業によって、シャフトが磨かれていく
塗装によって、美しいグラデーションが施されたシャフト。仕上げの美しさも自慢の一つ
完成したカーボンシャフト。ここまでに数多くの作業工程が存在する
現在の高級カーボンシャフトの製造過程は、かなり複雑。シャフトは基本的にカーボン繊維を横方向(本間ゴルフの場合、45度-60度)に巻くと、トルクに相当するねじれ方が決まります。縦方向に巻くと、我々が硬さとして思い浮かべるフレックスを決定する要素になります。

ご存知のようにシャフトには、ねじれや硬さの他にもしなりポイントである調子や、先端や手元よりの剛性をコントロールすることで様々なシャフトの性格づけを行っています。それらの性能は、選定されるカーボン繊維の特性とその巻き方によって決まるというわけです。

要求されるシャフトの性格に応じて、流れ作業にて熟練した職人さんが一枚一枚カーボン繊維を丁寧に巻いていきます。これは見学していても気の遠くなるような作業。ボイドと呼ばれる隙間が無いように作業には細心の注意が払われ、また緻密に検査が行われます。
市場に出回っているカーボンシャフトには、シャフト内に隙間の入ったものも少なくないのだとか。しかし、それでは設計上の性能を発揮するのはなかなか難しくなります。

カーボン繊維を巻かれたシャフトは熱処理が加えられ、樹脂を硬化。この辺の温度や時間にも長年のノウハウがあるといいます。硬化したシャフトから、マンドレル(鉄芯)を抜いたあと、シャフト表面をやはり職人さんが研磨。機械で粗研磨したあとは、非常に細かいサンドペーパーでひたすら手作業による磨きが入ります。研磨されている様子を目の当たりにすると、いかに一つ一つのシャフトを丁寧に作られているかがわかります。

シャフト塗装ももちろん手作業。この道、二十年という職人さんが、1本1本シャフト塗装を行います。余分な重量が増えないよう、塗装は薄く仕上げられます。職人さんは、その日の温度や湿度などの条件によっても微妙に塗り方を変えて、最適なシャフト塗装になるよう調整しているのだとか。素早く、そして丁寧に次々に仕上げられる塗装は、まさに職人芸と呼べるものです。

美しくグラデーション塗装が仕上げられたシャフトに、ネームが入れられて、いよいよシャフトの完成です。

次回も、本間ゴルフ酒田工場の作業を紹介します。



<関連リンク>
本間ゴルフ、パーシモンウッドの行方(All Aboutゴルフ)
本間ゴルフ(公式サイト)
本間ゴルフ 5Sクチュール(公式サイト)
喜多和生のグリーンサイド(日経ゴルフガイド)
国際パークゴルフ協会
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