ティーペグとは?

毎年、おびただしい種類が発売されるゴルフ用品。そのなかで、ゴルフクラブやボールにこだわりを持つゴルファーは多いですが、ことティーに関しては割りと頓着しない人が多いのではないかと思います。ティーを知らない人のために少し詳しく説明しましょう。

第1打を打つために整備された場所に設置されたティーマークを結んだ線から2クラブレングス(クラブ2本分の長さ。通常は一番長いクラブであるドライバーを用いる)までの場所をティーグラウンド(正式にはティーインググラウンド)と呼びます。第1打は、ティーショットと呼ばれ、ティーショットのためにボールをティーグラウンドにセットするための道具がティー。正式にはティーペグといいます。

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ポピュラーな木製のティーペグ


以前は、木製のものとプラスティック製のもの、形状も似たり寄ったりで長さに2~3種類のバリエーションがある程度でしたが、最近では様々なアイディアを凝らしたティーが多数登場し、カラーのバリエーションも増えたため、以前とは比べ物にならないほど選択の幅が広がりました。道具にこだわるのは、ゴルフの面白さの一つ。今回はこうした特徴的なティーを紹介します。

リフトティー

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機能的なティーのさきがけとなった「リフトティー」


これまで無味乾燥なデザインが多かったティーに多くのバリエーションをもたらしたさきがけは、タバタの「リフトティー」ではないかと思います。

ボールを置く部分にタコの足のような突起を設ける事によって、ボールへの抵抗を少なくすることを企図。それまでのティーだと、フェースの下側にティーが当たってしまい、ティーごと打ってしまう様な状況が多かったものですが、少ない抵抗でボールをヒットするため、スイングのエネルギーを効率よくボールに伝えます。

「リフトティー」は、当初アマチュアゴルファー向けのアイテムとして発売されましたが、なんとツアープロの間でも流行し、その事が結果的に一般的なゴルファーへの大きな人気に結びつきました。振りぬきの良さなどフィーリングを求めるプロならではの選択といえそうです。

エアロスパークティー

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首ふり360°機能が特徴の「エアロスパークティー」


「リフトティー」と同様に振りぬきのよさを求めながら、さらに独特の意匠を凝らして人気となっているのが、DAIYAコーポレーションの「エアロスパークティー」。

ティーのヘッド部分が、伸びて360°に可動する首振り機能を備えており、振りぬきのよさがアップするのはもちろんですが、ティー下部は打った後も地面に刺さったままなので、ティーの紛失を防ぎます。可動部分とティーの下部がはっきり分かれていて、常に同じ高さでティーアップ可能なのもメリットといえるでしょう。

「エアロスパークティー」は、その独特の形状でグッドデザイン賞を受賞。後発モデルの「エアロスパークティー NEO」も人気となっており、機能的ティーの代名詞的存在となっています。

ブラッシュティー

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ブラシ部分が抵抗を抑える「ブラッシュティー」


面白いもので、日本で機能的なティーが生まれるとほぼ同時期にアメリカでも振り抜きアップを狙ったアイディアティーが発売され始めました。その代表的なモデルが「ブラッシュティー」。文字通りボールを置く部分が、ナイロン素材のブラシのようにデザインされており、ボールをその上に置くように使用します。

ラフなどでのアイアンショットでは、フライヤーと呼ばれるスピンがかかりきらずボールが飛びすぎてしまう現象が起こります。この「ブラッシュティー」は、ドライバーショットでそのフライヤー現象を意図的に起こします。実際に打球すると、ブラシをこすったような感触が確かにラフでのショットのようでもあり、実際に通常のティーにくらべると飛距離が伸びる場合が多いよう。ティーだけ変えて飛距離が伸びれば、こんないいことはないですね。

難点はティーアップしにくいところです。台座部分をまっすぐ挿さないと、曲がってしまって上手くブラシにボールが乗ってくれません。使用してくるとだんだん歯ブラシのようにブラシ部分が広がっていきます。そうするとさらにボールをセットしにくくなるので適宜交換を。

エポックティー

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100%生分解性の原料を用いた「エポックティー」


特別な機能はないですが、特に海外で人気となっているのがエボルブゴルフ(Evolve Golf) の 「エポックティー」。麦を主体にした100%生分解性の原料を用いており、折れたティーも土に返ります。既にアメリカのPGAツアーでは一般的なティーで、タイガー・ウッズを始め300名以上のトッププロが使用。

日本でも人気のポーラ・クリーマー選手は、自分のイメージカラーであるピンクの「エポックティー」を使用しているようです。エコロジーへの認識が高いアメリカのトップアスリートが、こうしたアイテムを使用するのは納得です。

以前、ガイドが男子プロの試合を観戦に行ったときのことです。杉原輝雄プロが、前の組のセカンドショットをティーグラウンドで待っていた際、その辺に散らばっているティーを、拾い集めては捨てるという行動を繰り返し行われていました。

永久シード保持者の杉原プロが、他のプロが放っとらかしているティーのかけらまで、拾われているのを見て、大変感銘を受けました……。土に返るとしても、自分の使用したティーはちゃんと拾うのがゴルファーとしての当然のマナーですね。

KIRAティー

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キャスコ「KIRAティー」


ティーショットを終えた後、ティーまで打ってしまい自分のティーを拾おうにもどこに落ちてしまったかわからなくなるのはよく遭遇するシチュエーション。ラフでもすぐにボールが見つかる「KIRAボール」を発売し人気となっているキャスコから発売されたのが「KIRAティー」です。ボールと同じ特殊蛍光材を用いて、これまでのティーとくらべて格段に見つけやすくなっています。

その他にもボールを置く部分には羽状のウレタン素材を用いて、振り抜きを格段に良くしています。ティー上部は伸びて曲がる可変機能つきで、これまでの機能ティーの中では決定版といえるティーといえそうです。カラーが4種類選べるのも魅力。1本あたり160円を超えるティーが高いか安いかは、評価の分かれるところかと思いますが、失くさずに大切に使用すれば元は取れそうです。

ティーの高さはどう決める?

ところでティーの高さはどのように決めればよいのでしょう?最近のドライバーの著しい大型化で、現在ゴルファーのティーアップはどんどん高くなっているようです。前述の「エアロスパークティー」や「ブラッシュティー」も通常のロングティーよりもさらに長い超ロングティーをラインナップするなど、長いティーへのニーズに応えています。ゴルフ練習場でも高いティーを設置するところが多くなりました。

このようなティーが高くなっている傾向は、プロや上級者にも当てはまります。しかし、その長くなっている度合いは小さいようです。上級者は、自分の思ったとおりの弾道を描く事をラインを出すと表現しますが、低いティーアップでライナー性のボールを打つほうがラインが出しやすくなるため、ヘッドの大型化が進んでもティーの高さはあまり高くならないのだと考えられます。またティーが高いと右肩の下がるカチ上げるようなスイングになりやすくなるところも嫌われる原因でしょう。

その昔、ジャンボ尾崎さんが現在の水準でもかなり高めのティーアップでビッグドライブを連発していたことが思い出されますが、むしろ例外と考えたほうがよさそうです。

初心者ゴルファーの皆さんの間では、ティーに上手く乗せられない、ティーアップの高さが揃わないという悩みもあるかもしれません。その場合は、段付ティーを活用しましょう。もともと高さが揃っているためティーアップしやすくなります。繰り返し使用することで、ティーアップ自体に慣れてきます。

一時期、世界最強の女子ゴルファーと言われたローラ・デービースは、ティーペグを使用せずティーグラウンドの土を盛ってティーアップする非常に変わったスタイルを持っていました。本人は、「ティーを買うお金がないため」と冗談めかしていますが、自然の中であるがままにボールを打つゴルフというスポーツの本質を考えさせられる究極のティーアップといえるでしょう。

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