ゴルフクラブ用語の利点とは?

ゴルフクラブの用語を解説

ゴルフクラブの用語を解説

ゴルフクラブを選ぶとき、その専門用語がわかりにくいという声をよく耳にします。確かにカタログや雑誌に当たり前のように使われているクラブ用語は、これまで使ったことのないものばかりで、ちょっととっつきにくいですね。

しかし、それらの用語は自分にあったクラブを探すための重要な手がかりになります。カタログや雑誌をより効率的に理解できるように、特に代表的な用語を解説してみたいと思います。
   

ゴルフクラブ用語1:カタログでよく見る基本的な用語

ソールとシャフトの延長線が形づくる角度がライ角。身長との関連が指摘されるが、腕の長さとの相性もあり一概にはいえない
まずはカタログを見るとまず目に付く、基本的な用語を紹介します。過去の記事、初心者ゴルファーのためのドライバー選び初心者ゴルファーのためのアイアン選びなどでも扱いましたのでご参照ください。

(1) ロフト角・ライ角
クラブのソールとフェースが形作る角度がロフト角。ソールとシャフトが形作る角度がライ角。ロフト角は弾道の高さにもっとも影響を及ぼす。平均的な男性ゴルファーのドライバーのロフトは10~11度。距離を打ち分けるアイアンでも重要な要素。

ライ角はゴルファーの体格やスイングと打球の方向性に密接な関連がある。ライ角が小さいとボールは右に行きやすく、大きいと左に行きやすくなる。5番アイアンで60~61度くらいが平均的。

(2) 総重量・バランス
総重量はクラブ全体の重さ。一番長いドライバーが一番軽く、男性ゴルファーでは300g前後が平均的。力の強い人は重め、非力な人は軽めを選ぶ。短くなるに従いクラブは重くなり、クラブを持ったときの重さが同じように感じられるよう工夫されている。

バランスはクラブを持ったときの重さを示すもので、「スイングウエイト」と呼ばれる。セット間でスイングウエイトが揃っているのが理想。総重量が同じでもバランス値が違えば、持ったときの重さは違って感じられる。またバランス値が同じでも総重量が違えば、やはり持ったときの重さは異なって感じる。総重量を重視したほうがよいが、よほどシビアなレベルでない限り細かい数値にはあまり神経質にならないほうが良い。

(3) レングス
シャフトの長さのこと。背の高さとシャフトの長さが比例すると考えている人が多いが一概には言えない。正確性を求める男子プロゴルファーはシャフト長が短い傾向があり、飛距離の欲しい女子プロゴルファーの中には比較的長めのシャフトを使用する選手が多い。正確性・ミート率重視なら短め、飛距離重視なら長めを選ぶ。セットとは別にウェッジを購入するゴルファーは、事前に長さのチェックが必要。単品で販売されているUSモデルのウェッジは、レングスが長い場合が多いので、他の番手を逆転してしまう恐れあり。

(4) フェースアングル
シャフトに対してのクラブフェースの角度を示す数値。フェース角とも呼ばれる。クラブを構えたときに、フェースが左に1度向いて見えるものを「+1(プラス1)度」と呼ぶ。ドライバーの方向性に大きく関わる数値だが、掲載していないカタログが多いのは残念。個体差の出やすい部分で、同じモデルでも数値の違いが見られる。当然ながら、左に向いているものは左に行きやすく、右に向いているものは右に行きやすくなる。+1~2度がドライバーの平均的な数値。
 

ゴルフクラブ用語2:シャフトに関する用語

シャフトの性能を示す用語も多くあります。この辺から複雑なものが多くなりますが、一見、変化に乏しいゴルフクラブのシャフトの特性を知る手がかりになるので、少しづつ覚えていきましょう。

(1) フレックス
シャフトの硬さを示す基準。
硬いほうから、Xシャフト>Sシャフト>Rシャフトの順。女性用クラブはさらに軟らかい。同じフレックスでもクラブによって、硬さが異なるのであくまで目安として使用する。
※ 過去の記事、初心者ゴルファーのためのクラブ選び その2初心者ゴルファーのためのドライバー選びでも扱っているのでご参照ください。
振動数計。シャフトの硬さを数値化して把握する事が出来る


(2) シャフト重量
ゴルフクラブを形成するパーツのうち、シャフトの重さだけを表示したもの。重量が重い場合がフレックスも硬めになる場合が多い。シャフトの重さで対象ゴルファーが特定できる。

シャフト重量70g以上 → 力の強いゴルファー。上級者。
シャフト重量60g前後 → 平均的な力のゴルファー。
シャフト重量50g以下 → 飛距離のあまり出ないゴルファー。シニア・女性向け。

(3) キックポイント(調子)
シャフトがもっともしなる部分(キックポイント)がどこになるかで分類する。ヘッド寄りにある場合は先調子。グリップ寄りにある場合は手元調子。中間のものを中調子と呼ぶ。先調子のシャフトはボールが上がりやすく、手元調子のシャフトはボールが上がりにくいが、方向性が良いといわれている。自分のスイングとの相性があり、ミート率や方向性にも関わってくる要素。ちなみにセット内で統一したほうが良い結果が出る。

(4) トルク
ゴルフクラブのシャフトにおけるトルクとは、シャフトの捻れ(ねじれ)のこと。測定方法が、各メーカーによって異なるので単純な比較には注意が必要だが、傾向を知ることが出来る。スイングのタイミングと大きな関連があり、ヘッドスピードの早い人はトルクの少ないシャフト、遅い人はトルクの多めのシャフトを使用するのがセオリー。一般的な男性ゴルファーのドライバーシャフトは4.0~5.0くらいが適当。

(5) 振動数(cpm)
シャフトの固有振動数を測定し、シャフト硬度の基準にしようとするもの。カタログで表示しているところはほぼないので、通常は専門のゴルフショップで測定する。装着するヘッドやシャフトのキックポイントによっても数値が変化してしまうデメリットもあるが、曖昧なフレックスでの表記と異なり、客観的な数値指標として用いられ、特にクラブフィッティングの世界で重要視されている。
 

ゴルフクラブ用語3:重心位置に関する用語

クラブの重心位置を示した図。クラブの進化とともに重心は「低く」、「深く」なる傾向がある
ゴルフクラブのカタログには「低重心」や「深重心」などという言葉が良く用いられています。これらはクラブヘッドの重心の位置を示したものです。重心の位置を示す言葉をいくつか紹介しましょう。具体的に数値を公表しているメーカーは限られていますが、性能説明などに盛んに用いられます。

(1) 重心距離
シャフト中心線から、ヘッド重心までの距離。クラブの操作性に影響する。ヘッドスピードの早いゴルファーは短めの重心距離が適している。ここ数年は、ドライバーのヘッド体積が急激に大きくなり、その結果、重心距離が長くなったため、アイアンなどセット内の他のクラブとバランスが取れなくなるという現象が急増している。05年あたりから重心距離の短い大型ドライバーも発売され始めている。

(2) 重心高
重心の高さを示す距離。ソールから測る場合とヘッド上部から測る場合がある。ドライバーで「低重心」になるとスピン量が減り、ボールがあがらなくなる可能性がある。イメージ的には逆になりそうなので注意が必要。

(3) 重心深度
ヘッド重心から垂直に延びたクラブフェースまでの距離。長いほどミスショットになりにくい傾向がある。またボールの打ち出しも高くなりやすい。重心深度が長い状態がいわゆる「深重心」。
 

ゴルフクラブを用いるときの慣性モーメントとは?

慣性モーメントとは、物体の回転のしにくさを表す量。ゴルフクラブについて用いるときは、通常ヘッド左右の慣性モーメントを示す事が多く、ヒットしたボールの方向安定性を示します。

現代の400ccを超える大型ヘッドのチタンドライバーは、10年前のステンレス素材のドライバーと2倍近い慣性モーメントの違いがあり、道具として圧倒的にやさしくなっています。道具に対しては保守的なアメリカのプロゴルファーが、率先して大型ヘッドのドライバーを手にしたのは、圧倒的な性能の優位性を感じたからでしょう。大型ヘッドに違和感を感じるゴルファーはまだまだ多いですが、少しづつ慣れていくほうが得策といえそうです。
 

ゴルフクラブ選びの基準となる「飛びの三大要素」とは?

最新ドライバーの例。重心を低く深くするためヘッド形状が工夫されている。写真はNIKE Sasquatchドライバー
ゴルフ選びの基準として、よく用いられている飛びの三大要素と呼ばれるものがあります。

1. ボール初速
2. 打ち出し角
3. スピン量

上記の三大要素の適正値により近づき、そのゴルファーのポテンシャルを最大限に引き出すのが良いクラブ、自分にあったクラブです。当然、適正値もゴルファーの体力や技量によって異なるので、それぞれのゴルファーに合うクラブも異なるわけです。

ゴルフクラブのカタログには、多くの場合、対象とするヘッドスピードが記載されています。そのクラブを使用して、飛びの三大要素で適正値を出せるゴルファーをメーカーは、ヘッドスピードで区別しているためです。

そこで、自分にあったクラブ選びのためには、まず自分のヘッドスピードを測るところから始めてみましょう。自分にどんなクラブがあうのかを知ることが出来ます。ヘッドスピードは、測定器のあるゴルフショップや練習場で測ることが出来るので、気楽にどうぞ。
 

ゴルフクラブはどう選ぶべき?

十数年前まで、平均的なゴルファーのスピン量は適正値より多いといわれていました。そのためドライバーは低重心化、低スピン化が進みます。しかし、それではボールがあがりにくくなってしまうので、ロフト角を多めにしたり、重心深度を大きくする事で、打ち出し角を適正になるように調整されているのが、ここ何年かのクラブの特徴です。ロフト角に関して言えば、10度と表示されているクラブが、実際にはロフト角11度、12度になっている事も多いようです。

ゴルフクラブの用語は細部まで突き詰めるととても複雑で、基準が明確でないものも多いため、かえってクラブ選びを難しくしてしまうかもしれません。ガイドとしては、まず自分でクラブを打ってみて、スペックにとらわれずその印象や感覚を優先することをオススメします。スペックの傾向値と自分の感覚が合致してくると、自分にあったゴルフクラブにきっと出会いやすくなりますよ。

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