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アイアンの選び方!ゴルフ初心者の為のおすすめヘッドなど

初心者の正しいアイアンの選び方についてご紹介します。ヘッドのスイートエリアの広さや、スチールシャフトとカーボンシャフトの重量の違いや飛距離について、ロフト角とライ角について等分かりやすく解説していきます。上達を目指して正しい選び方を知りましょう。

児山 和弘

執筆者:児山 和弘

ゴルフガイド

脱初心者!アイアンの正しい選び方

初心者を脱却するアイアンの選び方!

初心者を脱却するアイアンの選び方!


初心者ゴルファーのためのドライバー選び」では、ゴルファーにとって最も関心の高いドライバーについて取り上げました。今回は、ターゲットにボールを運ぶスポーツであるゴルフには欠かせない、アイアンの選び方について解説します。

ドライバーが、最長飛距離(ドライビングディスタンス)、方向性(フェアウェイキープ率)といったわかりやすい選択の基準があることに比べると、アイアンはモデルの特徴がわかりにくく、求める性能もゴルファーのレベルによって異なります。また、クラブ選びのノウハウもドライバーほど確立されてはいないようです。初心者やアベレージゴルファーにとって必要なアイアン選びのポイントを紹介しましょう。
   

キャビティバックとマッスルバック

アイアンを選ぶうえで、性能に大きく影響するのが、ヘッド形状です。大きく分けて次の3つがあります。
 
  1. キャビティバック
  2. マッスルバック
  3. 中空タイプ
 
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キャビティバックアイアンの例


キャビティバックは、中央部の重量を周辺に配分しスイートエリアを広くしたアイアンで、現在のアイアンの主流となっています。周辺重量配分を強調してやさしさを追及したワイドスポットタイプや、打感や操作性に考慮したセミキャビティアイアンなど、多くのバリエーションがあります。
 
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マッスルバックアイアンの例


マッスルバックは、周辺に重量を配分しないタイプで、キャビティバックの出現前にアイアンクラブの主流として活躍してきたものです。打感が良く、操作性が高いモデルで、フラットバックと呼ばれる場合もあります。小ぶりでスイートエリアは狭く、上級者向けといわれています。

中空タイプは、アイアンヘッドに空洞を設けることによって、スイートエリアを拡大することを企図したアイアンです。伝統的なアイアン形状では困難だった性能を実現するために作られたモデルでもあります。まだそれほど多くラインナップされているわけではなく、選択肢はまだまだ少ないのが実情。
 

スイートエリアの広さ

マッスルバックアイアンのスイートエリアが、50円硬貨ほどの大きさといわれるのに対し、ワイドスポットなキャビティアイアンは、500円硬貨ほどの大きさといわれています。この違いはスイートスポットをはずしたショットが、グリーンに残るかグリーンを外してしまうかという距離・方向の差となって表れます。

マッスルバックは、タイガー・ウッズなどトッププロや上級者が主に使用します。彼等はラフからのショットでできるだけ抵抗を抑えたいので、小ぶりなヘッドを好みます。また、フックやスライスを状況によって打ち分ける必要があるため、操作性の高いマッスルバックを選択しています。初心者ゴルファーは、まずミスの度合いを小さくすることが大切。スイートエリアの広いキャビティタイプを選択するべきです。
 

スチールシャフトとカーボンシャフト

現在、アイアンにはスチールシャフトと呼ばれる金属性シャフトとカーボンシャフトの2種類が装着されるのが一般的。一時期はプロゴルファーも多く使用するほどのカーボンシャフト全盛でしたが、数年前から軽量スチールシャフトが発売され大流行したため、現在はスチールシャフトユーザーが多くなっているようです。
 
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スチールシャフトの代表的なモデルDynamic Gold(ダイナミックゴールド)


スチールシャフトとカーボンシャフトとのもっとも大きな違いは重さ。一般的に市販されているアイアン用カーボンシャフトは、50~60gくらいで、スチールシャフトは代表的なモデルであるDynamic Goldで120g前後。軽量スチールシャフトでも90g強の重さがあるのが普通です。

ゴルフメーカーでは、できるだけ同じ感覚で振れるようにカーボンシャフト用のヘッドは重く、スチールシャフト用のヘッドは軽く作られています。10g違うと大抵のゴルファーは重さを感じることができ、50gを超える総重量の差はゴルフスイングに大きく影響します。

ゴルフクラブは、振り切れる範囲で重いほうが良いといわれています。それは、クラブの慣性を体感しやすくなるため、無理のないスイングを養うことができるためです。また重いほうが芝生の抵抗に負けず、強いボールを打つことができます。

しかし、前出のようにスチールシャフトとカーボンシャフトには大きな重量差があるので、自分の体力にあった重量のシャフトを選択する必要があります。非力な方は無理をせずカーボンシャフトを選びましょう。下記の目安を参考にしてみてください。

ヘッドスピード:フレックス:シャフト:シャフト重量
  • 37~40m/h:R:カーボンシャフト:50~65g
  • 40~43m/h:SR,S:軽量スチールシャフト:85~100g
  • 43~46m/h:S:スチールシャフト:110~125g
 

カーボンシャフトの飛距離誤差

カーボンシャフトは、同じ番手で打ったときに飛びすぎたりし、飛距離の誤差があるといわれています。特にヘッドスピードの速いゴルファーにその傾向が大きく、そのためカーボンシャフトを敬遠するゴルファーも多いようです。

しかし、ヘッドスピードが43m/h以下(ドライバーの飛距離が230ヤード前後)の一般的なゴルファーは、あまり気にしなくても良いでしょう。一般的な男性ゴルファーと同じくらいの飛距離で、よりシビアな距離感が要求される女子プロゴルファーに、カーボンシャフト使用が主流です。

少数ですが、男子プロにもカーボン使用者は存在しており、アマチュアレベルで問題になるほどの誤差は出ないと考えてよいのではないかと。力のない方ほど、軽量で身体への負担も小さいカーボンシャフトの長所を積極的に利用するべきでしょう。

価格は総じてスチールシャフトのほうが安価。スチールを使用できる体力のあるゴルファーは、こうした価格の恩恵にあずかることができます。
 

ソール形状について

「初心者向け」や「やさしい」といわれているアイアンは、ソール幅の広いものが多いです。ソール幅が広いと、手前からでも滑りやすいためミスになりにくく、低重心にしやすいのでボールがあがりやすいというメリットがあり、初心者ゴルファーを助けてくれます。

しかし、傾斜やライ(ボールの状態)の悪いところでは、広いソールは引っかかりやすく、抜けが悪いという欠点もあります。それらを両立させるため、幅広ソールにトレーディングエッジ(バックフェース側のソール部分)を落として抜けを良くした形状のモデルもあるので、打ったときに引っかかる感じのあるゴルファーはそうしたモデルを選ぶと良いでしょう。

余談ですが、アイアンにおいて、上級者がもっともこだわる点の一つがソール形状です。スイングのタイプはもちろん、芝生の性質によっても相性があります。ゴルフクラブは直線と曲線で構成されているため、ゴルファーそれぞれの感性を駆使して、好みの形状のクラブを選びます。
 

グースネック

ソール形状と同じく、初心者向けアイアンで多く採用されている形状がグースネックです。
 
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グースネックの例


シャフトの延長線上よりヘッドが後ろにくるように設計されたモデルで、その名のとおりアヒルの首のようなネック形状のため名づけられました。フェースが左に向きやすいためボールのつかまりは良くなるので、スライスしやすい初心者ゴルファー向けと言えるでしょう。

グースネックのアイアンは、初心者向けのモデルが多いために誤解されがちですが、ストレートなネックのアイアンに比べ、ボールは上がりにくくなります。ボールが上がらないという悩みをもつアベレージゴルファーの方は、一度使っているアイアンのネック形状をチェックしてみましょう。
 

本数のセッティング

PW(ピッチングウェッジ)とSW(サンドウェッジ)の間に、AW(アプローチウェッジ)やP/S(ピッチングサンド)をセットに加えることが顕著になって以来、アイアンセットは長い間、3番アイアンから9番アイアンに、PW、AW、SWの10本セットが主流でした。

しかし、ロングアイアンの替わりにユーティリティクラブやFWを加えたり、ウェッジを自分の好きなブランドに変更することが流行したため、現在では5番アイアンからPWまでの6本セットを基本に、必要に応じて、3,4番アイアンやAW、SWを追加していく方法がほとんど。ゴルファーにとっては選択肢が広がったので、好ましい変化といえるでしょう。

ロングアイアンはスイートエリアも狭く、初心者ゴルファーには難しいので抜いてしまっても構いません。力のある方やFWが苦手な方は、4番アイアンをセッティングしても良いと思います。3番アイアンと4番アイアンの飛距離差をきっちり出せるのはかなりの実力派ゴルファーです。よほど自信がある場合を除けば、成功率を考えて3番アイアンの替わりにユーティリティやFWをセッティングしましょう。
 

ロフト角とライ角について

クラブのソールとフェースが形作る角度がロフト角。ソールとシャフトが形作る角度がライ角。ロフト角は距離を打ち分けるために、アイアンでも最も重要な要素です。ライ角はゴルファーの体格やスイングと打球の方向性に密接な関連があり、自分にあったライ角のアイアンを使用することがアイアン選びで最も重要なポイントの一つです。
 
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ソールとシャフトの延長線が形づくる角度がライ角。方向性やスイングに大きな影響を及ぼす


ところが、工業製品であるゴルフクラブは個体差が存在し、それは場合によってはロフト・ライ角の誤差となって表れます。そのためメーカーのカタログに記載されているスペック表の数値とは異なる場合があります。ロフト・ライ角の誤差は、メーカーでも±1度(最大で2度)程度の誤差は許容範囲と考えられています。そのため1度程度の誤差は、ほとんどのアイアンセットに存在しているのが現状。

非常にショッキングな話ですが、ガイドのこれまでの経験では最大で5度の誤差があるアイアンがありました。番手間のロフト角の差は通常3~4度なので、正確な飛距離差など望むべくもありません。また本来短くなるに従い大きくなっていくライ角が番手間で逆転しているものもありました。当然、方向性に重大な影響があり、場合によってはスイングを壊してしまう要因にもなります。

クラブの個体差とそれに伴う誤差の問題は根が深く、今のところあまり良い解決策がありません。素材が軟らかく、ネックを曲げるのに適している軟鉄鍛造アイアンなどでは、専用の調整マシンを活用してロフト・ライ角の微調整を行うことが可能です。プロゴルファーなどはこうした形でシビアなセッティングを行っています。
 
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ロフト・ライ角の調整器具。素材の軟らかいアイアンに限り2度程度調整可能


もし使用しているアイアンで、番手間の距離がきちんと出なかったり、ある番手だけ方向性が悪い場合は、ロフト・ライ角が計測可能なゴルフショップに相談することをお勧めします。大抵の場合は、クラブに問題があるようです。ミスショットも一概に腕のせいとは言えないのです。

ゴルフクラブ選びはなかなか奥深く、正解を見出すのが難しいものですが、こうした知識を身につけることによって、クラブによる失敗を防ぐことにつながります。初心者ゴルファーも上達のため、クラブ選びにこだわってみましょう。はまるとさらにゴルフの魅力に取りつかれることと思います。

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