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匠の技と遭遇!本間ゴルフ酒田工場へ1(3ページ目)

製販一体と、工芸品のような高価なゴルフクラブで、業界で異彩を放つメーカー、本間ゴルフ。そんな特徴あるスタイルの中心的な役割を担っている山形県酒田工場を取材しました。

児山 和弘

執筆者:児山 和弘

ゴルフガイド

カーボンシャフトを自社生産

カーボンシャフトは、カーボン繊維を手巻きすることで作られる。小さなミスも許されない、まさに職人技が要求される作業
膨大な数のシャフトを自社生産するため、シャフト生産棟では、多くの職人さんが従事している
カーボン繊維のパッケージには、どのようなシャフトになるのかが記載
カーボンシャフトを自社生産しているところも本間ゴルフの大きな特徴です。今回の工場見学では、貴重なシャフト製作の現場を生で見ることができました。

ご存じない方も多いと思いますが、一般的なゴルフクラブはシャフトメーカーによって作られたシャフトが装着されています。「TOUR AD」や「Diamana」といった人気シャフトはもちろんですが、メーカー純正シャフトであっても実績のある大手シャフトメーカーで製作されているケースがほとんど全てと言っていいでしょう。特許などの縛りも少なくないようです。

ゴルフ用カーボンシャフトはシートワインディング製法といって、マンドレルと呼ばれる鉄芯にカーボン繊維を巻きつけていきます。

カーボン繊維は、どうやって巻きつけるのでしょう?
なんとこれが、すべて手作業。ガイドの知る限り、ほとんどすべてのシャフトメーカーが、この工程を手作業で行っていて、本間ゴルフも例外ではありません。どうしても機械化が難しい部分があるようです。

ちなみに、これもあまり知られていないことですが、ゴルフクラブ用カーボンシャフトに採用できるカーボン繊維を製作しているメーカーは、ほんの数社。本間では、他のゴルフメーカーでも多くの実績のある有名繊維メーカーT社の繊維を使用していました。

カーボン繊維にも無数の種類があり、シャフト製造メーカーは、それらの繊維の特性を活かし、様々に組み合わせてシャフトの性格を決めていきます。もちろん使用するカーボン繊維の選定もとても重要な要素。
本間ゴルフで採用されているような弾性率40tを超える高弾性カーボン繊維は、最近大手シャフトメーカーにおいてあまり採用されていないようですが、新興のシャフトメーカーで使用されて、ギアマニアの間ではその飛距離が大きな話題となっています。

2004年に発売された、本間ゴルフのシャフト「ARMRQ(アーマック)」は、4軸カーボン繊維を採用し、インパクト時のシャフトのつぶれを抑制する性能を持たせたもの。契約ツアープロが好成績を挙げた事はもちろん、契約外でもシャフトに「ARMRQ(アーマック)」を採用するツアープロが急増。一躍ゴルフ界の話題になりました。自社生産シャフトが契約外のプロに使用されるというこれまでにない状況は、本間ゴルフのシャフト生産技術の高さを印象づけました。

現在は、さらにきめ細かくなった新しい4軸カーボン繊維を採用した「ARMRQ UD」を発表。さらに独自の進化を続けています。

>>カーボンシャフトの生産工程>>
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