ドライバー軽量化の弊害
着脱が非常に簡単であることも魅力。外すときは付属の黒いレンチで |
シャフトの著しい軽量化もありました。スチールシャフトの時代、120gを超えていたシャフトの重量は現在50~60g台のものが主流となっています。ほぼ半分以下ですから、急激な軽量化。あまり知られていませんが、グリップも軽量化され始めています。モデルにもよりますが、以前よりも10g以上軽いものが、標準装着されている場合もあります。
さて、そこで少し想像していただきたいのですが、人間は棒状の物をコントロールするのに、重心が遠ければ遠いほど、コントロールは難しくなります。もし野球のバットやテニスのラケットが、ドライバー並みの45インチの長さであったら、ボールを打ち返すことなどままならないでしょう。これは、ゴルフクラブも同じです。先ほどの話を思い返してください。ヘッドはどんどん大きくなり、シャフトやグリップはどんどん軽くなっています。相対的にクラブ全体では、重心はより先の方に、手元から離れるように移動しています。
つまり、慣性モーメントや反発係数など物理的な性能が大きく向上したゴルフクラブは、一方で人間が使う道具としては、かえって扱いにくくなっているという側面があります。それは、一番長く、一番軽量化、大型化が顕著に現れたドライバーに、もっとも特徴的に現れています。
ナイキの新ドライバー「SQ DYMO」。タイガー・ウッズは、市販品と異なる小ぶりなヘッドを使用しているという噂… |
しかし、ヘッド体積260ccのタイトリスト「975Dチタン」に120gを超えるスチールシャフトを装着していた2001~2002年ごろのタイガーは、フェアウェイキープ率がなんと70%を超えていたのです。
やさしいドライバーを使用しているのに、かえって正確性を失っているという事実。しかし、重心が遠くなり操作がしにくくなっているという事実を考えると納得できるものがあります。タイガーは、今期ナイキのNEWモデル「DYMO(ダイモ)」を使用していますが、そのヘッドは特別仕様で、市販品よりもずっと小さい380ccクラスだといわれています。
シャフトスタビライザーの存在は、こうしたドライバーの軽量化、大型化の傾向に一石を投じる事になるかもしれません。ゴルファーはクラブの物理的な性能もさることながら、振りやすさや構えやすさ、見た目の安心感など、クラブの感覚に訴える部分の性能も大切にするものです。
手元よりの重量とクラブ全体のバランスを考えるのは、最新のクラブを選ぶ上で大きなヒントになるでしょう。自分なりのベストなバランスを見つけるのに、このシャフトスタビライザーは良いヒントになると思います。
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