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ドライバーは超大慣性モーメントの時代へ(4ページ目)

SLEルール施行間近の2007年。5000g ・cm2を超える超大慣性モーメントのドライバーが続々と登場しています。今回は、最新ドライバー事情をご紹介していきましょう。

児山 和弘

執筆者:児山 和弘

ゴルフガイド

慣性モーメント5000g ・cm2オーバーとは?

キャロウェイ「Ft-i」ドライバー。多くのキャロウェイ契約プロが使用
慣性モーメント(M.O.I)とは、物体の回転しにくさを表す量ですが、ゴルフクラブではヘッドの慣性モーメントをクラブヘッドのやさしさを示す目安として用いられています。

かつて人気だった300ccクラスのチタンドライバーの慣性モーメントは、2700-3200 g ・cm2程度です。現在の5000 g ・cm2を超える超大慣性モーメントのドライバーはその1.5-2倍の数値になります。これはOBになってしまうティショットが、セミラフに残るくらいのやさしさの差があります。ゴルファーの方であれば、これがどれだけ有利かということがお分かりいただけるはず。スコアと飛距離がいかにもアップしそうです。

いくつか問題点も挙げてみましょう。

現在、ラインナップされている超大慣性モーメントのドライバーは、形状が特異な物が多い他、打球音が特徴的であることが指摘されています。限られた体積の中で最大限ヘッド性能をアップさせた結果、形状による打音の変化の問題がクリアできなかったということは想像出来ます。

また慣性モーメントは、重心から離れたところに重量配分すればそれだけ数値が大きくなるので、ヘッドが返りにくい(=スライスしやすい)というデメリットも考えられます。各メーカーとも他の部分でボールのつかまりを補っており、今のところスライスしか出ないといった声は聞かれませんが、今後もクラブ選びの際に注意したい部分です。他のクラブとのマッチングも問題になる可能性があります。

ドライバーだけ慣性モーメントが大きくなるということは、FWやアイアンなどのほかのクラブとの操作感が大きく変わってしまう可能性があります。ドライバーのヘッドほどFWは大型化していないため、見た目の違和感は大きくなります。異形のドライバーはフェース面を薄くし、投影面積が大きくなっているのでなおさらです。

いずれにせよ、慣性モーメント5000g ・cm2オーバーの超大慣性モーメントのドライバーの歴史はまだ始まったばかり。今後さらなる改良によって、より使いやすくゴルファーにとってメリットの大きいクラブとして定着するものと思われます。



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