豪華さを演出するなら彩り鮮やかに
フレームにいくつもの花火を入れることで鮮やかで豪華な絵になります |
いくつかの花火が画面全体に写っている絵はとてもきれいです。一番オーソドックスな花火写真と言えるでしょう。このような彩り鮮やかな一枚を撮ってみましょう。
打ち上げ場所から近くの場所で撮っているなら広角から70ないし80ミリまでのズームレンズなどを使うと撮りやすいです。 レンズを向けている部分にいくつもの花火がまんべんなく開いてくれる場合だと、簡単に画面に花火が舞っている写真が出来上がります。
しかし、少しやっかいな場合もあります。それは同じ箇所に何発も花火があがる場合です。同じ場所に連続で上がる花火をシャッターを開けたまま撮り続ける、とその部分だけ真っ白になって写ってしまいます。これは一箇所だけ明るくなりすぎて露出オーバーを起こしてしまった結果でこのようになってしまうのです。
せっかくきれいに撮ったつもりでも真っ白に写ってしまっては台無しです。この点には注意するようにしましょう。
同じ箇所に何発も上がる場合は、シャッターは開いたままいったんレンズの前を用意しておいたレンズを覆うもので隠してしまうというテクニックがあります。そして他の箇所に違う花火が上がったらレンズの覆いを外し、そのほかの花火も写し一枚の写真の仕上げるという方法です。
キャンバスに色を塗りつけるように打ち上がった花火を瞬時に見極めて、一枚の画面にいくつか写し込み一枚に仕上げる。花火撮影ならではの撮影方法です。これは少し高度なテクニックかもしれませんが、慣れてきたらお試しになってみてください。
遠くても絵になる花火かな
遠くに小さく打ちあがる花火も情緒的で素敵です。 |
これまでは、打ち上げ場所からかなり近づいたところから撮る花火のレクチャーでしたが、花火はどの距離で見ても絵になるもの。遠くから見る花火だってとてもいい感じなのです。遠くに見える夜景の中にぽつんと咲いた花火。どこか線香花火を見ているかのようで日本人の心に打つものがある絵柄ではないでしょうか。
大きな花火大会だと会場は大変混雑します。どうしても雑踏のなかに行ってまで見たくないと思うときもあります。そんなときにはちょっと離れたところから小さな花火をゆったりと撮ってみませんか。あまり人に邪魔されず、静かにひとつひとつ打ちあがる花火にいろんな思いを寄せながらシャッターを切る、とても風流ですね。時にはこんな花火の撮影スタイルもいいものです。
瀬川はだいたい打ち上げ場所から近いところで撮りますが、この遠めに写す花火のほうが実は好きだったりします。近くで撮る大きな花火と遠くから撮る小さな花火、花火大会によってこんな選び方をしてみるのもいいかもしれませんね。
花形はやはりスターマイン
花形はスターマイン。何回かチャンスがあるのでトライして撮ってみましょう。 |
花火大会の花形はやはりスターマインでしょう。次から次へとドンドン上がる花火の勢いは、見ている者を興奮させます。このスターマインを写真に撮っても勢いある絵になります。ぜひこれは撮りたいところ。
いままでのテクニックを駆使すればスターマインも上手に撮れることでしょう。スターマインはやはり豪華さを表現したいですね。いくつも上がる色とりどりさと画面全体にあふれ出さんばかりの花火。これがポイントですね。
さぁ今回の花火の撮り方のレクチャーはいかがだったでしょうか。基本的なポイントを簡単な解説してみました。習うより慣れよ、まずはいろいろ試してみるのが上達の早道。花火大会に行かれる際にはぜひ参考にしてみてくださいね。
今年はドド~ンと音の聞こえるような別格の一枚をぜひ撮ってみてください。
写真・テキスト 瀬川陣市
Photo&Text(c) Jinichi Segawa - All Rights Reserved.
記事・画像の無断使用・転載は禁止します。
■関連記事
■関連リンク集
・風景・夜景を撮る