スタジアムなどでサッカーや野球などの注目されている試合では、一斉にスタンドからフラッシュを焚かれるシーンがときたま見られます。そんなときには、「プレーの妨げにもなりますので、フラッシュを使っての撮影はご遠慮ください」とのアナウンス。

しかし、スタンドからフラッシュを使っても遠くにいる選手がきれいに撮れるのかな、とふと疑問に思った方はありませんか。

こんな疑問にもお答えすべく、今回は、フラッシュの光はどのくらい届くのかを、解明していきましょう。


【各ページのポイント】
ガイドナンバーとは ・・P1
フラッシュの光の届く範囲を見てみよう ・・P2



フラッシュの大きさはガイドナンバーで知ろう

フラッシュ
外付けフラッシュと内臓フラッシュをセッティングした状態。フラッシュの違いは、見た目の大きさもそうですが、光量の違いが大事な部分。

そもそもフラッシュの違いってなんでしょう。フラッシュは、一瞬そこに写真を撮るのに充分な光量を当てるもの。その違いといえば、光量の大きさ。でも、光量って、どうやってその大きさを知ればいいのか、きっとそんな疑問を持たれることでしょう。

フラッシュの光量の大きさは、ガイドナンバー(GNと表記されます、以下GN)と呼ばれる単位に付いた数値で表します。GNとは、フラッシュの光の強さを表す標準単位で、センサー感度のISOが100のときに、1mの撮影距離で適正露出になる絞り値のことを指します。

GNの数字が大きいフラッシュほど、光量の大きいフラッシュとの目安にすることができます。

しかし、この説明を一度読んで、「いったいなんのことだか・・・」となかなか難解かもしれませんね。ご安心ください。この説明がわからなくても、GNからどんなことに応用できるのかをわかりやすくご説明しましょう。

ここでは、露出に関する内容も出てきます。
もし、まだ露出についてあまり理解されてない方は、露出について解説した前編「露出なんて簡単カンタン!?」と後編「露出はこれでマスター!」もぜひ併せてご覧ください。よりわかりやすくなることと思います。

光はどこまで届く?

フラッシュのGNがわかれば、どこまでフラッシュの光が届くのかを知ることができます。計算式はつぎの通り。

GN÷絞り値(F値)=発光距離(m)

この式をもとに、簡単な例で計算してみます。GN20のフラッシュでレンズの絞りをF4で設定したとしましょう。上の公式にあてはめてみると、20÷4=5、つまりこの組み合わせの場合は、フラッシュの光は5mの距離まで飛ぶ、ということになります。

その他にも、適正になる絞り値を求めたいときは、つぎのような計算式でもとめられます。

GN÷被写体までの距離(m)=絞り値(F値)

もし、スタンドの観客席から選手までの距離が50mあるときに、GN20のフラッシュでこの選手を撮ろうとした場合、20÷50=0.4、という計算になります。レンズの絞り値で0.4などという明るさのものはないので、この距離では光は届かないということになります。

光の距離を伸ばすには

では、この単純計算した段階で距離が足らないとわかったら、諦めるしかないのでしょうか。最初にGNを説明した文章に「センサー感度のISOが100のときに」とありますね。この条件を変えてあげればフラッシュの発光距離は簡単に伸ばすことができるのです。(正確に言えば、光の距離が伸びるのではなく、感度を上げることで、センサーの感知力が上がった分だけ、より遠くの光まで写せるということになります。)

つまりISO感度を高く設定すればいいのです。デジタルカメラでは、簡単にISO感度を設定できるようになっています。ではどのくらいの距離伸びるのでしょうか。

ISO感度とGNには、相関関係の数値があり、それを係数と呼んでいます。その係数表はつぎの通りです。

【ISO感度とGNの係数表】 
ISOを設定変更した場合は、算出した数字にこの係数をかけて新たに変更した数値にします。

ISO感度を変えていけば、計算式でもとめられた数値にこの係数をかけ、新たな数値に変えられるわけです。

先に例として計算した、GN20のフラッシュでレンズの絞りをF4で設定した場合、20÷4=5m、という距離が出ました。これはISO100の場合ですから、ISO400に変えれば、5×2.0=10m、となって倍の距離飛ぶことになります。

このようにして、フラッシュの発光距離は、ISO感度を変えることで伸ばすことができるということです。

ここでは、フラッシュの光の飛ぶ距離を知るために、このような計算をしてきましたが、この計算はマニュアル方式でフラッシュを使うときに必要なもの。通常、オート設定でフラッシュを使われるときは、このような面倒な計算をする必要はありません。ただ、知っていればフラッシュをより有効に使うことができると思います。


次のページでは、光の届く範囲をサンプル画像で見てみましょう。