動物園でオリ(ゲージ)の中にいる動物を撮るときに、どうしてもオリが邪魔に写ってしまいます。しかし、ちょっとした裏ワザを使えば簡単にそのオリを消してしまうことができます。動物園での撮影はもちろん、いろんな応用ができるお役立ち撮影テクニックです。
 

ネットやオリを消せる場合と消せない場合がある

動物園のオリを消す方法
オリが消えかかって写っているのがわかります。どうやってオリが消えて写るのでしょうか
 
動物園のオリを消す方法
どのようなオリでも消えるわけではありません。ワイドレンズで広い範囲を写し、レンズから遠くにあるようなオリは消すことはできません

動物園のオリの中にいる動物を撮ろうとするとどうしてもオリが邪魔してしまいます。せっかくお気に入りの動物を子どものために撮ってあげようというのにオリしか写ってないなんていう写真になってしまうことがあります。

レンズと動物の間にあるオリ、これが撮影に邪魔なわけですが、これをほとんど写らないように撮ることができるのです。そう聞くと「えっ!目の前にあるオリをどうやって消してしまうの?」と疑問に思うことでしょう。カメラの基本機能をちょっと応用するだけで簡単に写真に写らないようにできるのです。

ただし、オリを消せる場合と消せない場合があります。その違いを簡単に説明すると、ワイドレンズで広い範囲を写す場合は、オリは消すことができませんが、望遠レンズ側で撮影するとオリが消えたように写真を撮ることができると言うことができます。このようなレンズの使い方の違いによってオリを消せる場合とそうでないものがあるということを理解しておきましょう。

それでは、目の前にあるオリがどうやって写らないように撮れるのでしょうか。その仕組みや撮り方をこれから解説していきましょう。
 

ピントの合う範囲を利用すると目の前のネットやオリが消える!

動物園のオリを消す方法
目の前にあるオリ。これが撮り方によって全く写らないなんて、なぜ?
 
動物園のオリを消す方法
上の状況で撮影したもの。オリが消えてフラミンゴだけが写っています

目の前にあるはずのオリがなぜ写らないのか、これはピントの合う範囲を応用することで可能になる方法です。写真を撮るときには、レンズの絞りで光の量を調節して露出を決めます。オート露出設定での撮影では、自動的に適切な絞りにしてくれます。このレンズの絞りは光の量を調節するとともにピントの合う範囲も変化させる役割を持っています。このピントの合う範囲を被写界深度とも言います。ちょっと難しい専門用語ですね。

例えば、ピントが合う範囲が狭いとその前後はボケてはっきり見えなく写ります。ピントの合う範囲が狭いことを「ピントが浅い」と表現することもあります。反対にピントの合う範囲が広い場合は「ピントが深い」と言い、写っているものすべてにピントが合ってはっきり見えます。写真が得意な人たちは、パンフォーカスと呼んだりもします。

また、この特性は、レンズのサイズによっても変わってきます。ズームレンズの望遠側になるに従い、ピントの合わない部分がはっきりボケて見えるようになります。逆にワイド側のレンズだと、広い範囲のものにピントが合って写るようになります。難しい理論はここでは覚えなくてもいいですが、こんな理由から目の前のオリを消して写すことができるということを簡単に理解しておくとこの方法で撮るのになにかと便利です。では、実際にどのように撮ればオリは消えるのでしょうか?
 

オリにレンズを近づけ望遠で写真を撮るのがコツ

動物園のオリを消す方法
オリの近くにレンズを寄せて撮影します。この状態からピントを動物に合わせて撮影します
 
動物園のオリを消す方法
ややオリの残像が残っているものの、ほぼ動物だけが写りました。絞り値をさらに小さくするとオリの残像も薄くなっていきます

では、オリが写らないうに撮る方法についてその手順をご紹介しましょう。まず、できるだけレンズにオリを近づけます。レンズの近くにオリがあると写ってしまいそうですが、ここは思い切ってオリの前にレンズを近づけます。そして、ズームレンズの望遠側で撮りたい動物を大きく寄せてフレームを作ります

それから動物にピントを合わせます。オリにピントが合ってしまうとオリしか写らないので、このピント合わせが大事なポイントです。あまり近くにいる動物にピントを合わせてもオリは消えないので、レンズから数メートルは離れたところにいるものにピントを合わせてみてください。動物にピントが合ったら、まずは撮ってみてください。撮影した画像を見てどれくらいオリが消えているか確認してみましょう。ほとんどオリが消えていればその撮り方でOKです。

もし、オリもはっきり写ってしまうのであれば、さらにズームレンズの望遠側を利用して遠くにいる動物にピントを合わせて撮り直してみましょう。ワイド側のレンズにして撮るとオリが消えない場合があります。またオリが消える目安は、レンズの絞り値で確認できます。レンズの絞り値とは、「F3.5」などFのあとについている数字のことです。この数字が小さくなるほど、オリが消えやすくなります

コンパクトデジカメでオート撮影で撮っている場合、この絞り値だけをコントロールすることは難しいのですが、もしどうしても絞り値が小さくならない場合は、ISO感度を低く設定してみてください。デジタル一眼カメラで撮影するのであれば、撮影モードを「Aモード(絞り優先モード)」にして、絞り値を小さく設定して撮ります。

ここでは動物のオリという設定でご紹介しましたが、フェンス越しにスポーツを撮る場合でも応用することができます。目の前にある邪魔なオリを消し去って撮りたい動物をクリアに撮ってみてくださいね。この被写界深度は、写真の露出を知ることでより理解できます。さらに詳しく露出について知りたいという方は、「露出なんて簡単カンタン」「露出はこれでマスター!」をご参考にしてください。

【関連記事】

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。