巨大テーマパークのような都市、メキシコシティ
メキシコ中央高原部に位置し、四方を山々に囲まれた標高2268m上にあるメキシコシティ(ラ・シウダー・デ・メヒコ La ciudad de México 行政上の名前はディストリト・フェデラルDistrito Federal略してデー・エフェD.F.)。メキシコの首都であり、文化、政治、流通、経済の中心、そして人口2000万人以上を抱える世界最大級の都市のひとつです。さらに、市内にメキシコ全土各地方へ向かう長距離バスの主要ターミナルを4つ擁し、ベニート・フアレス国際空港(Aeropuerto internacional Licenciado Benito Juárez)があることからも、メキシコ国内またはラテンアメリカ旅行の玄関口となる都市でもあります。
東京都の約3倍の面積がある広大な都市には、美術館、博物館を含めた、文化的な観光名所もたくさん。アメリカのようなオフィス街や大規模なショッピングモールが立ち並ぶ地域があれば、おびただしい数の露天商が店を構える超下町まで、階級社会のメキシコならではの姿が浮き彫りになる町。ひとことで言えば、「カオスな巨大テーマパーク」ですが、その混沌こそが、この都市の魅力と言えるでしょう。ここでは、そんなメキシコシティを8つのエリア別に紹介していきます。
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、メキシコシティ、セントロ地区のレストラン
歴史的中心地区セントロと巨大市場
1519年、スペインからの征服者たちが現れるまでメキシコシティは、テスココ湖に浮かぶアステカ王国(紀元前9500-7000)の水上都市でテノチティトランと呼ばれていました。征服後、湖は埋め立てられ、神殿が破壊され……、その石材を使い、ヨーロッパ様式の建築が建てられて、現在のこの都市の姿があります。世界文化遺産に登録される、歴史的中心地区セントロ・イストリコ(Centro histórico)は、そんなメキシコの複雑な歴史をまざまざと感じさせる、メキシコシティ観光の中心的存在。セントロ・イストリコの中央には、ソカロ(Zócalo)と呼ばれる、ロシアの赤の広場より大きい世界最大の広場があります。市民の憩いの場であると同時に、大統領の演説、政治集会、コンサートなど様々なイベントが行われます。多い時では、約50万人が集まることも! ソカロはメキシコシティの心臓部と呼ばれ、周りには重要な機関が集中。東側には大統領の拠点となる国立宮殿があり、北側には、南北アメリカ大陸最大のカトリック教の大聖堂=カテドラル(Catedral)が、そびえ立ちます。
カテドラルの背後にはテノチティトランの中央神殿の一部であるテンプロマヨールが、野外に展示されるような形であります。古代アステカの神殿が、大聖堂やヨーロッパ様式の建物を背景に存在する姿は、とても印象的。そして西側にはホリディ・イン、ベストウエスタン・マジェスティックといった中級クラス以上のホテルが並びます。
ソカロ周辺の建物は100年以上前に建てられた石造りの重厚な建築が多く、道路は石畳に舗装され、ヨーロッパに来たかと錯覚してしまうほど。
ソカロから南へ約10ブロック離れると、メキシコシティのなかでも2番目に大きい市場、メルセー(Merced)があります。生鮮食品から日用雑貨まで幅広く扱う市場で、常に活気があり、庶民の台所といった感じ。メルセー市場は、呪術宗教グッズ市場ソノラ(Sonora)も隣接しているので、キッチュで変わった おみやげを買うのにいいでしょう。
近くにはメキシコの覆面プロレス、ルチャリブレの会場であるアレナ・コリセオ(Arena Coliseo)もあります。この地区は下町パワー全開で、かなり面白いのですが、治安も悪いのが難点。ドラッグや海賊版、または密輸品を販売している店もあり、一本道を間違えると危ない通りに入ってしまうことも……。出かける際には、複数人数で行動するようにして注意しましょう!