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米国においてロスレス圧縮での配信がスタート 音楽配信最新事情(2ページ目)

米国において音質劣化のない音楽配信サービスがスタートしました。また、それと同時にユニークな仕組みを取り入れ、従来にない音楽の楽しみ方が実現しています。これを元に音楽配信の将来像を考えてみましょう。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

音質劣化のない音楽配信が米国でスタート


しかし、そんな中、音質劣化していない音を届けるインターネット音楽配信サービスというものが米国で登場してきました。
   MusicGiants
というサイトがそれです。またEMIの曲のみに限定されたプレオープンという形ではあるものの、実際の音楽配信サービスをスタートさせているのです。

MusicGiants
米国内という限定ではあるが、Windows Media Audio Losslessを用いた音質劣化のない音楽配信サービス、MusicGiantsがスタートした
これはロスレス圧縮という技術を用いた音楽配信であり、確かに圧縮はしているものの、CDのクオリティーそのものをキープしての配信なのです。ロスレスについては以前、シリーズ テクニカル用語徹底解説で詳細を解説しているので、そちらを参照していただくとして、やはりロスレスでの配信がスタートしたことは、この業界にとって大きなニュースです。まあ、ブロードバンド化が進む中、いずれそうなるとは言われていたものの、もう来てしまったのか、というのが正直なところです。


MusicGiantsで使われたのはWindows Media Audio Losslessという方式であり、WMAフォーマットのひとつが用いられています。ほかにもApple Lossless、Monkey's Audioなどいくつかのロスレスフォーマットがありますが、いずれにしても半分から1/3程度の圧縮であるため1曲あたり、10MB程度の容量となります。そのため、ブロードバンド環境でないとなかなか気楽にはダウンロードできないものの、やはり音質劣化していないという点で、購買意欲をそそります。まあ、今後5年、10年でどうなるかは分かりませんが、長期的な将来を見れば、いずれみんなロスレスになっていくのかもしれません。
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