藤本――なるほど。もうひとつSoundFontに関する質問があります。以前、副社長のSong Siow Huiさんにお話をうかがったとき、SoundFontとDLS(Down Loadable Sampling)は今後統合されていくというようなことを聞きましたが、現在SoundFontとDLSの関係はどのようになっているのでしょうか?
Sim氏――そこはちょっと誤解があるようですね。DLSは現在Windowsのシステムとして搭載されるとともに、広く使われるようになってきました。DLSはソフトウェアで動作させることが可能なので、AudigyプロセッサやEMU10K1などのプロセッサがなくてもシンセサイザを鳴らすことができる優れたものです。
ただし、当然ソフトウェアだけで鳴らすシステムですから限界もあります。現在DLSはDLS1とDLS2という2つが存在し、とくに最新のDLS2はわれわれがシステム開発し、Microsoftに提供しているというものです。こうした関係を見てもお分かりいただけると思いますが、DLSはSoundFontの下となる規格なんです。
したがって、まずはDLSを幅広いユーザーに使っていただき、その良さを理解していただいた上で、さらに上の世界であるSoundFontを味わってもらいたいと思っているのです。
藤本――よくわかりました。やはりSoundFontのほうがDLSより上という関係は当面変わらないということなんですね。そういえば、以前Live!に搭載されたチップであるEMU10K1を搭載したAudio Production Studioという製品をE-MU Systemから発売していましたよね。Live!よりもかなり高価格ではあるものの、高音質というプロ向けの位置付けで。今回のAudigyプロセッサに関しても、E-MU ENSONIQから同様のものを出す計画はあるのでしょうか?
Sim氏――出す可能性はありますが、現在のところ未定です。まずはSound Blaseter Audigyの市場開拓に力を入れたいというところですね。
藤本――それからLive!について、海外においてはMac対応のものを出されていましたよね。今回のAudigyのMac対応というのはいかがでしょうか?
Sim氏――これについても、現在のところ未定です。Macユーザーからの要望などを見ながら検討したいと思っています。当面はWindowsのみの製品ということですね。
藤本――ありがとうございました。ぜひ、またお会いできればと思っております。
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