勿論、牛革にも使えます!
バーガンディ色の銀付き革のアッパーに、向かって左(右足)は無色の乳化性靴クリームを、右(左足)には今回出た「ダークブラウン」を入れてみました。やはり後者の色合いに茶色味が増しています。 |
この「ウォーリー ワックスカラークラッシック」は、我が国では「コードヴァン専用」として売られていますが、実は牛のスムースレザー系にも問題なく使用可能です。上手に活用すれば、通常の色付き乳化性靴クリームとは若干異なる役割を果たしてくれるのです。これは一種の裏技、いやこれらこそこのクリーム本来の使い方なのかもしれませんので、折角だから紹介しちゃいますね。
上の写真をご覧下さい。この靴のアッパーは典型的なクロム鞣しの銀付き革で、当初の色はバーガンディだったものを、時にアニリンクリームとかではない無色の、時にほぼ同じ色の乳化性靴クリームで数年に渡り磨き続けたものです。向かって左(右足)は、それにいつもと同様に無色の乳化性靴クリームを塗った状態、向かって右(左足)は今回出たクリームの「ダークブラウン」を入れた状態です。こちらも変にダマになることなく、後者の色合いに濃くかつスッキリとした茶色味が増していることがお解かりいただけるかと思います。
「別な色を入れてしまいました!」的な、一種のわざとらしさが全く出ない一方で、透明感のある仕上がりは、コードヴァンの場合と変わりません。すなはち、牛革の場合でもアンティーク仕上げ的な「ムラ」感を過剰に演出することなく、より自然な雰囲気で全体的な色合いを濃くしたり変えてみたい際に、最初に入れて下地を作るクリームとして非常に重宝するのです。例えば、最近あまり履かなくなった靴で「色合いさえちょっとだけ変化してくれれば……」みたいなものを再び表舞台に上がらせたい時に、どの色であれこのクリームは絶対に役に立ちます。
もちろん牛のガラス張り革の場合でも、しっかり効果を発揮してくれます。例えば暫し付いてしまいがちな、下の写真の様な「キズにはなっていない表面上の擦れ」も、靴と同色のこのクリームを用いれば綺麗に隠せてしまいます。通常の色付き乳化性靴クリームでは、その種の擦れは意外とカバーできない厄介者なのですが、もう心配無用です。
通常の乳化性靴クリームに比べれば確かにやや割高ですが、このページに挙げた様にコードヴァン以外にも様々な用途に使えるので、一種の補修系乳化性靴クリームと考えれば極めて妥当な価格でしょう。騙されたと思って使ってみて下さい。 ああ、これで「ライトブラウン」系のものがあればなおさら完璧なのですが……R&Dさん、引き続きヨロシクです!!
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