内容が一層充実したShetland Fox

今日の日本人の足形と嗜好に、鋭敏に対応！

Shetland Fox・INVERNESSシリーズの外羽根式5穴セミブローグです。今日の日本人の足に合わせた、甲の低いフォルムがお解りいただけるかと思います。デザインそのものは古典的ですが、縫い目の線の位置に現代性も感じられます！

「日本人に本当の意味で適合した高度なフィット感を、あくまで既製靴の範疇で提供する」をモットーに、我が国を代表する靴メーカー・リーガルが2009年の春に本格復活させたShetland Fox。その全容についてはこの記事とこの記事でご紹介申し上げましたが、好評に応えてバリエーションがこの秋更に拡大されました。今回の記事はその詳細を各シリーズ別にご紹介申し上げましょう。

まずは新たに登場したINVERNESSシリーズからご紹介致しましょう。このブランドの今後の中心軸となることを想定して開発されたこのシリーズは、一見するとShetland Foxのフラッグシップたる KENSINGTONシリーズと似た、甲周りの峰をやや内側にずらし外くるぶし側を思いっきり削る独特の造形を有するものの、つま先から甲にかけての厚みをそれに比べ更に薄くしているのが特徴です。もはや甲高幅広一辺倒ではない日本人の足を冷静に見つめた上で、今日望まれる低重心なフィット感を追求したものと申せます。

デザインに関してはこのシリーズは、古典的な要素は崩さないながらも現代的な嗜好を適度に散りばめた作品群と言えそうです。例えば上の写真の外羽根式5穴セミブローグでは、鳩目からかかとへと流れる縫い目線の落ち方は、これまでの伝統的な靴には見られない伸びやかなもの。このブランドにしては結構冒険的なデザインが、他の靴についても各所に読み取れるのですが、それが特段浮ついて見えないのは、ビジネス対応の靴を長年作り続けているリーガルのDNAが、表面にこそ決して出てはいないものの確実に移植されているからなのでしょう。

アッパーにはこのブランドの KNIGHTSBRIDGEシリーズと同じく、革質の安定性には定評のあるフランス・アノネイ社のボカルーカーフを用いているので、どこ靴を選んでもアニリン染め特有の冴えがありながらも落ち着いた色感を楽しめます。また最小サイズが5からある点も、履ける靴を日頃なかなか見つけ難い小さい足の持ち主には朗報です。なお甲周りが低めに設定されている分、このシリーズはShetland Foxの他のものより履き心地がタイトな感があるので、人によっては通常よりハーフサイズ上を選んだ方が快適かもしれませんので、試着の際は十分チェックなされて下さいね。

【Shetland Fox／INVERNESSシリーズ】
■スタイル : A.内羽根式5穴ストレートチップ、B. 内羽根式6穴プレーントウメダリオン付き、C. 外羽根式5穴セミブローグ、D.内羽根式4穴変型アデレイドフルブローグ、E. シングルモンクストラップ
■色 : ブラック（A・C・D・E）、ミディアムブラウン（C・D・E）、ブラック＊ワインのコンビ（Bのみ）
■アッパー素材 : フランス・アノネイ社製カーフ
■底付け製法 : グッドイヤー・ウェルテッド
■ソール素材 : オールレザーソール。オープントラック仕様。
■サイズ : 5 ～9　1/2サイズ刻み。
■価格 : いずれも一足\39,900（税込み）

INVERNESSシリーズのつま先を真上から撮ってみました。気持ちロングノーズ的な形状ですが、甲に向かってのラインが相当低く造形されていることが、ここでもお解りかと思います。日本人の現在の足と嗜好とを冷静に追求した造形です。

次のページでは、一見最もエッジな雰囲気を持つあのシリーズの、ブーツをご紹介！