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ワシントン靴店のオーダーシューズ(2ページ目)

銀座の靴店と申せば忘れちゃいけないワシントン! 今回はこのお店のオーダーシューズを採り上げます。2009年8月から匙加減が絶妙の新木型も加わり、選ぶ楽しみが更に増しています。丁寧な微調整も魅力です!

飯野 高広

執筆者:飯野 高広

靴ガイド

やさしく、楽しいオーダーの手順

スクエアトウ
アッパーにインポートレザーを用いて「スクエアトウ」の木型で仕立てられた、内羽根式アデレイドストレートチップです。質実剛健な「塊り感」がありながら、洗練さも十二分に保たれた、いざ探すと意外と見付けられないシェイプの木型です。これと同じ仕様で価格は\60,000(税込み)。


2005年の秋に銀座本店が改装されたのを機に、それまでのマッケイ製法からグッドイヤー・ウェルテッド製法主体へと大リニューアルを遂げた、ワシントン靴店のオーダーシューズ。履き心地が良くしかもカッコイイ作品を追求すると同時に、靴のオーダーが初めての人にはやさしく、リピーターの方には楽しく注文できるよう、その仕組みは随所に老舗らしい工夫と配慮が施されているのが特徴です。その発注から納品までには、大まかには以下のような手順を踏んでゆきます。

  1. 計測器具を用いて、足長と足囲を左右の足それぞれに測る。
  2. 1.をもとにフィッティング用のサンプルシューズを履き、基本となる靴のサイズを左右別々に決める。
  3. トウシェイプと基本デザインを選び、それに応じて木型の微調整の必要箇所をチェックする。
  4. アッパーの種類や色、アウトソールの種類、ライニングやステッチの色等を選択する(有料オプションもあり)。
  5. 製造を詳細に指示するため、1.~4.を基に顧客毎に個別の「カルテ」を作成し保管する。
  6. 1.~5.を基に靴を製造し、受注から約35日で製品をお受け渡し。

ご一読いただければお解かりのように、この店のオーダーシステムには「仮縫い」の工程はありません。フィッティングは予め用意されたオリジナルの木型をベースとするので、スーツに例えれば一種のイージーオーダーと考えていただいて結構です。ただし、トウシェイプ毎に足長は0.5サイズピッチで23.0~28.0の計11種類、足囲はJISのDからFまで6種類、合計66サイズを左右別々に選択可能ですので(チゼルトウとシャープラウンドトウは、足囲がDからEEEまでの4種類となり、選択可能なサイズは44種類となります)、大抵の方なら最近似値のサイズを選べば、不満が相当解消されたフィット感を得られると思います。

が、それだけで履き心地の追求を終わらせないところが、戦前からの老舗らしいところ! より高次元の満足を得るための「微調整」にも、様々なメニューがあるのです。

チゼルトウ
こちらはここ十数年ですっかりお馴染みになった「チゼルトウ」の木型を用いた、ダブルモンクストラップです。前ページの「ジェントリーチゼルトウ」に比べ更にロングノーズで、やや若い世代の顧客に人気が高いとのこと。アッパーにはインポートレザーを用いています。これと同じ仕様で価格は\60,000(税込み)。




次のページでは、このお店が持つ長年のノウハウを最大限に活かした、木型の「微調整」の詳細をご紹介!
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